『コーマルタン界隈』

 山田稔の連作小説集『コーマルタン界隈』河出書房新社1981年初版を読んだ。パリのコーマルタン通りの 一隅に部屋を借りた日本語教師の男が体験する日常の出来事、パン屋のおばさんから疲れ気味の売春婦まで、 八編で様々な人間模様が綴られる。フランス風に言えばコント conte か。「街の芸人」なんぞ典型例だ。

《 思えば、ときには私の目にごみ溜めのように汚く、殺風景に映ったこの街にも、この街らしい音楽が あったのである。 》 「街の芸人」152頁

 古くは五木寛之のエッセイや小説を、新しくは 同じ仏文学者の堀江敏幸を連想したが、 同じことを考えている人をネットで知った。やはりね。

 ネットの見聞。

《 私は売るのが惜しい絵を描いたことが一度も無い。私の中から生まれたものを他の誰かに手渡した時に創作が完了する。 》  林由紀子
 https://twitter.com/PsycheYukiko

《  売れ線ではない小説というのは、読み進めながら、ところどころで、ものごとの本質を俯瞰し把握し、 それから抽象化(読み手の個性に染めてぎゅっとグリップさせる、これはとりもなおさず、 読み手がグリップしなくてはならない、ということですからリテラシーを要する)させる要素が入っている。 》  姫野カオルコ
 http://only5.himenoshiki.com/?cid=4

 これは絵画にも言えることだろう。一昨日話題にした内野まゆみさんの絵を彼女はフェイスブックで公開。 反応は「いいね!」がいくつも。自分の言葉で感想を書き込んだ人はいなかったようだ。

《 人間、偉いといっても高が知れているし、駄目ぢゃんというやつでも底はあるし、みなボチボチなので、 足りないながらも知恵を持ち寄って、落ち着くところに落ち着けましょうやというのが賢いやりようだと思うのだが、 清く正しくベストをつくせという輩がしばしば出てくるので、集団ヒステリーが起こる。 》 赤城毅
 https://twitter.com/akagitsuyoshi

《 どんな酷い制度でも、圧倒多数の人間にとっては続ける方が、止めるよりも圧倒的に容易。 頭の良い人はいくらでもいて、工夫はどんどん出てくる。 ただ、そもそも止めるべきなんじゃないかの一言は本当に難しい。 》 オッカム
 https://twitter.com/oxomckoe

《 安倍首相のNY滞在。実働4日間滞在するもオバマ大統領会わず。会ったのはバイデン副大統領。 鳩山、野田ですら会った。何故日本のメディアはこの異常事態を報じない。 朴槿恵、仏大統領、独首相と 個別に立ち話、対米従属だけの人と会う意味ない。 》 孫崎 享
 https://twitter.com/magosaki_ukeru

 ネットの拾いもの。

《 安倍はオバマが飯に招待してくれないのは、自分が辛坊に飯食わせないのと同じことだって分かんないのかね。 》

《 一億総活躍って年金基金破綻させて、高齢者に低賃金で働かせるってことだよね。暴走老人が「はいはい」 って従うと思ってんのかしら。 》

《 自分のキャリーバッグにぱみゅぱみゅって名前をつけてる人っているかなぁ。 僕は本棚に書庫たんって名前をつけてます。 》