『気違い部落周游紀行』

 きだみのる『気違い部落周游紀行』冨山房百科文庫1981年初版を、野暮用に振り回されて前半で時間切れ。 新潮文庫も持っているが、こちらの方が字が大きい(註:字が小さくて読み難いのではない。ゆったりした 活字組で読みたいだけ。創元推理文庫だって裸眼で読む。サングラスを除いて眼鏡なるものを掛けたことがない)。 67の短文から成るこれはじつに面白い。辛辣でかつ可笑しい。昭和23(1948)年刊行。

《 疑うことを知る。これは物の真に近づくため人の持ち得るたった一つの道である。 》 8頁「4」

《 私の経験の教えるところに従うと、人間は互に相吸引するが、同時にもっと相反撥する存在のようである。 人は頻繁に自分の周囲の知った人間を憎悪し、悪口を云い、自分の知らない、特に見たことのない人間を 愛するように考え、そして褒める生得傾向を持っている。これは自分の知らない人間を憎むことは、 漠然と愛するより心理的に困難があるからであろう。この点については敵を憎めという戦争中の政府の 号令にも拘わらず、如何にして個々のアメリカ人を憎むべきか甚だ当惑した経験を持つ日本人は 少なからずあったであろうと思われるのを見ても解る。 》 16頁「11」

《 気違い部落の生活では勇士たちは考えないで行動するとき人間らしい行動を、即ち社会を勘定にいれた生活をなし、考える動物として行動する場合、人間の尊厳を失った動物となる。 》 113頁「38」

《 政治を稼ぎ場にする連中が知識価値の判断者になって以来、我々は国際的価値を無視して例えば 家族主義、肇国(ちょうこく)の精神等に闇値をつけて故なく昂揚或は卑下することはなかったであろうか、 またないであろうか。 》 130頁「42」

《 爺さんは毎年、春十分の思慮と用意を怠ったため、秋、収穫の乏しさで罰せられているのだ。しかし 自慢百姓は何もお百姓の間だけにある型ではない。思想或は政治の世界を稼ぎ場にしている連中では、 農業のように秋の現実暴露がないだけに、それだけの自慢百姓が罰せられることなく、はびこり、 持てはやされ得ないであろうか。 》 136頁「43」

 ネットの見聞。

《 『日本美術全集19 拡張する戦後美術』の責任編集を務められた、椹木野衣多摩美術大学教授) 先生にお話しを伺ってきました。  》 青い日記帳 出前ブログ
 http://nichibi.webshogakukan.com/bluediary/2015/11/post-9.html

《 ろくでなし子「ガッカリ」、裁判官が「デコまん」27作品の証拠請求却下 》
 http://news.goo.ne.jp/article/bengoshi/life/bengoshi-topics-3888.html

《 ろくでなし子さんの裁判を傍聴。100人以上集まり抽選。中には警察らしき人達も時間ギリで並ぶ。 一般人の外れ率上げ作戦?報道も一般と一緒に並んでって言われたけど法廷内には報道席。 》

《 人生初裁判傍聴はろくでなし子さんの裁判やった。 》

《 またはずれた…。 》 椹木野衣

 ネットの拾いもの。

《 確かに野党の大連合は「烏合の衆」かもしれない。でも、バカの集団よりもマシであることは確かだ。  》

《 数十年前から予想できた未来。菊池桃子は賢い。三原じゅん子はパー。 》

《 「HANA-BI北野武 →「火花」又吉直樹 →「氷の花火」山口小夜子 》