「褒めにくいものを褒める方法」

 毎日新聞昨夕刊コラム「牧太郎の大きな声では言えないが…」から。

《 「むかし、芥川賞選考委員のセンセイが『褒めにくいものを褒める方法』なるものを伝授していた。 どうしようもない作品は『素朴で、荒々しいタッチで貫いている』と褒めるんだって」
  「素朴だからダメ!か」
  「作者が混乱して筋が分からないと『過度の技巧性がじゃまをしている』とか。『将来を期待させる才能を 感じる』なんて、このままではダメ!という意味だろう(笑い)」 》 

 個展で感想を訊かれることがよくある。なかでもマシな作品には「これはいいですね!」と笑顔で。これしか マシなのがねえんだよ。「がんばってますね!がんばってください」と笑顔で。会場を出てしばらくして 「あ〜あ、ひでえなあ」。忌憚のないご意見を、などと真顔で言われることを真に受けてはいけない。そんな時は 真顔で「いやあ、前よりもぐっとよくなった気がします」と言って一周して退出。以前の絵なんか覚えちゃいない。
 良いか悪いかなんて個人の美意識、審美眼でいかようにも変わる。なにより重要なのは客の感想ではなく、客が 作品を買うか買わないか、だ。これ欲しい!と思えばなんとしてでも買う。買うか買わないかが、判断規準。 そしてさらに重要なのが、買った人のもとにどのくらの歳月留まっているか、だ。本も美術品も家具と同様、 賞味期限がある。また賞味期限があるうちは下取りでもリサイクルでもオークションでもお買い上げとなるが、 消費期限が過ぎたらオシャカ。出回っている絵画の大多数が「もうお前は死んでいる」だろうなあ。一昨日の 美術雑誌『国華』なんぞ十九世紀のものなのに今だに新鮮。こういうものを不朽の作品と言うのだろう。

 個展の紹介記事で木彫造形作品をよく目にする。どれもこれも私にはもどかしさが残る。樹木を素材としか考えて いない作品ばかりだ。白砂勝敏さんの木彫椅子にして優れた造形作品をに触れると、あ〜、私に力があれば、と思う。 K美術館で展示した作品はほとんど売れたけど。
 http://shirasuna-k.com/gallery/woodcarving/
 https://www.youtube.com/watch?v=q-L5GJkiCXM

 まあ、椹木野衣氏が『日本美術全集 第19巻』小学館2015年、「150 味戸ケイコ」の解説で書いている。

《 未来に発見されるまでの、決して短くはない時の眠りについている。 》

 私はまどろんでいるわけではないが……。

 昼前、源兵衛川下流部で見落としていたヒメツルソバの駆除。一時間余りで土のう袋軽く一袋。水深のある石垣の 数メートルは、やっぱり見送り。水位の下がるのを待つ。

 ネットの見聞。

《 電気は足りてる。足りないのは反省。 》 study2007

《 明治維新と敗戦に続いて、現在は近代日本が経験する三度めの「レジームの瓦解」となることでしょう。 止める手だてはあるのでしょうか?被害を最小化する手だてならありそうですが。 》 内田樹
 https://twitter.com/levinassien

 ネットの拾いもの。

《 「日本ができることは何でもする」「では難民の受け入れを」「それ以外なら何でもする」「すっこんでろ」 》

《 テロの標的にするのなら安倍晋三だけにしてほしい。くれぐれも一般市民は巻き添えにしないでほしい。 》