『清親(きよちか)』

 MOA美術館で観た小林清親木版画は、どれも初めて目にするものばかりだった。摺りあがったばかりのような画面に惹きつけられた。書架から大判の『浮世絵大系12 清親』集英社1974年初版を取り出す。ここに収録された原寸大の絵を見て、清親は大した絵師ではないな、と昔思った。展覧会や画廊で実物を見ているが、MOA美術館の展示品はほとんどが初見。だけでなく、こんなにいいのか、と感嘆。上記 『清親』には小倉柳村(りゅうそん)の木版画も二点が原寸大で収録されているが、保存状態は悪い。目が洗われるような極良の木版画を集めたMOAの収集能力に脱帽。金だけじゃない気がする。
 http://www.moaart.or.jp/works/room7/

 木彫の佐藤玄々、陶磁器の板谷波山も見応えがあった。ひとつだけ別展示の『黒飴瓷花瓶』は、ほぼ球形の壺。漆黒の釉薬が分厚くねっとりと掛けられ、腰の釉垂れがじつに見事な景色をもたらしている。北一明の『雷光釉多光彩妖幻白流斜傾彫文壺』を並べて鑑賞したい欲求に駆られる。
 http://www.moaart.or.jp/works/room6/
 http://web.thn.jp/kbi/ksina.htm

 午前中は某男子大学生の卒論(源兵衛川について)への質疑応答。午後は源兵衛川を歩いて説明。

 ネットの見聞。

《 「何も萌えキャラを使わなくても町おこしはできるよね」と「何も殺人を描かなくてもミステリは書けるよね」は、何だか似ている。いずれも善意に満ちていて、しかもうっとうしい。 》 芦辺 拓
 https://twitter.com/ashibetaku

《 「探偵小説のような不謹慎な小説を書いたり売ったりするのは社会の一員としての自覚に欠けている」という時代が実際にあった以上、譲れないラインを決めておくのは必要だと思う。それは戦時中という特殊な時代の出来事だったにせよ、今が「戦前」でないという保証もないわけだから。 》 千街晶之
 https://twitter.com/sengaiakiyuki

   ネットの拾いもの。

《 ゲリノミクス、アンコントローラブル! 》

《 円安に消費増税に緊縮財政で見事に死亡 》

《 焦ってるつか、もう連合艦隊壊滅でどうしようもなくなって
  本土空襲が始まってるけど、報道では連戦連勝と大本営発表 》

《 玉音放送近いでこれ 》