黒岩涙香『紳士のゆくえ』を読んだ。昨日の『別冊幻影城1 黒岩涙香』に収録。これまたいい。 昭和のものといっても通じる。面白いものだ。『血の文字』を昨日の創元推理文庫で読む。残された ダイインング・メッセージから推理は進む。女性についての講釈が頷かせる。
《 上等の社会にては一般に道徳最(い)と堅固にして少しの廉(かど)あるも直(ただち)に 噂の種と為り厳しく世間より咎めらるれど此辺にては人の妻たる者が若き男に情談口を開く位は 当前の事にして見る人も之を怪(あやし)と思わねば操が操に通らぬなり、殊に又美人の操ほど 当(あて)に成らぬ者は無く厳重なる貴族社会に於てすらも幾百人の目を偸(ぬす)みて 不義の快楽に耽りながら生涯人に知(しら)れずして操堅固と褒めらるゝ貴婦人も少なからず、 物を隠すには男子も遙に及ばぬほど巧なるが凡て女の常なれば 》
買った本はしばらくは床の上に積んでおく。昨夜、上の本を外して取りあげたのは、平松洋子 『ステーキを下町で』文春文庫2015年。江弘毅の解説に惹かれて65頁「朝の大衆食堂、夜はスナック」 を開く。冒頭。
《 「酒は飲んでも飲まれるな」というけれど、「酒に飲まれなくてどうする」とも思う。 》
うーむ、たしかに。うまいことを仰るわ。そのまま読んでしまう。そして先だって視察の方からいただいた 日本酒を開ける。コクコク。う、旨い。やや、飲み過ぎか。でも今朝はスッキリ。やれやれ。
先月30日に予約した西條八十『あらしの白ばと』盛林堂ミステリアス文庫が届く。2015年12月7日発売 限定200部、定価3500円。早速送金。CDを買う金が白ばとのように飛んでいった。
ネットの見聞。
《 「源氏なのに義経が出てこない」の苦情受け…源氏物語ミュージアムで企画展 》 産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/151204/wst1512040084-n1.html
《 【源氏物語】登場人物名の英訳が,何だかすごく絶妙な感じで話題に【シャイニング・ゲンジ】 》
http://togetter.com/li/908340
《 あまり言及する人がいないけど、源氏物語の英訳は帖名がかなり直訳気味でファンキーなんですよね。 「夕顔」は「トワイライト・ビューティ」だし、「匂宮」は「パフュームド・プリンス」だし、 「宿木」は「アイビー」で、「須磨」は「エグザイル・アット・スマ」です。 》
《 菅官房長官は「ディズニーリゾートの誘致実現は非常に夢のある話」と言う。何とも小さな夢だ。 沖縄の人たちが求める「基地のない沖縄」の方が比較にならないほど大きな夢ではないか。 》
ネットの拾いもの。