中村元『自己の探求』青土社1987年新装初版、前半を再読。付箋が貼ってあるから既読とわかる。 読んだ記憶はすっぽり抜けている。探偵小説推理小説なら、内容はすっかり忘れていても読んだ記憶はある。 脳の老化=劣化をつくづく実感。でも、逆にすっかり忘れているから新鮮。それもいいか。
付箋を貼っていないところで、今回気になった箇所をいくつか。
《 西洋人によると、人間の自我と神とのあいだには絶対の断絶があるのである。ところがヴェーダーンタや 大乗仏教によると、自我(自己、アートマン)は絶対者と同一であるか、あるいは連続しているのである。 ここにわれわれは東と西とのあいだにおける大きな相違を認めざるを得ないのである。 》 37頁 「自我の存在の論証」
《 ところで自我を〈実体〉とみなす見解は論理的に一つの誤謬を含んでいる。「実体」とか「性質」 というのはカテゴリーであって、現象世界についてのみ適用され得るものである。 》 46頁「自我の本体」
《 このような思惟──絶対精神の理論から史的唯物論に至るまで──は、個の問題を解決しない。 》 52頁「自我の本体」
《 自我が実体であるか、あるいは単なる諸心理現象の総括であるか、今日にいたるまでこの問題は まだ解決がついていないし、また簡単に解決できることでもないであろう。 》 57頁「自我の本体」
《 個体が個として絶対である所以を、スピノーザやヘーゲルのような一元論的哲学では基礎づけることが できない。この難点はマルクス哲学にも共通に所有している。そうしてこの難点は、インドの一元論的な ヴェーダーンタ哲学も共有している。 》 66頁「個性的な人格の独自性」
《 それぞれの個人は全宇宙から影響を受け、その影響を受けるしかたが異なるからこそ、 互いに少しずつ様相を異にした個人として成立しているのである。 》 68頁「個性的な人格の独自性」
《 ところがこの構造を見失って、周囲から切り離されたただ自己だけを主張すると、悪い意味の個人主義となる。 》 81-82頁「主体としての自己」
《 自分が何らかの組織に制約されているのだと思うと、喜びが無い。しかし組織や人間関係に制約されながら それらを生かして行くのだと思うと、喜びがある。 》 96-97頁「普遍者を具現する自己」
ブックオフ長泉店で二冊。江國香織ほか『甘い罠 8つの短編小説集』文春文庫2012年初版帯付、ミステリー 文学資料館編『古書ミステリー倶楽部 III』光文社文庫2015年初版、計216円。
若い知人女性からいい大根をいただいたので、大根ステーキにする。他のガスコンロで南瓜を煮る。もう一つの ガスコンロで卵を茹でる。卵は半熟。久しぶりに三つのガスコンロを同時に使った。二十分足らずで出来上がり。 料理は手早く。
ネットの見聞。
《 ヤギに「クリスマスソング」を歌わせた 》
http://togetter.com/li/914821?utm_content=buffer8703a&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
《 聖地エルサレムで発見「謎の物体」の正体は 》 NHK NEWS web
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151223/k10010350461000.html
《 人生において大切なこととは?「マヨネーズの瓶と2杯のコーヒー」の話 》
http://curazy.com/archives/120294
《 今年、いろいろと驚いてきたものの中で、ベスト10に入るのが「産経新聞の沖縄県での購読者数」であった。 その数、なんと【250部】 》
http://todo-ran.com/ts/kiji/13915
《 また、英国の有名老舗百貨店リバティや世界2位の石油エネルギー企業のロイヤル・ダッチ・シェルが、 もともと日本の物品を扱うために創立されていたことも本書で初めて知りました。 》 万巻の書が解明したジャポニズムの伝道師の正体は……「文藝春秋web」
《 ニール・サイモンの「名探偵登場」より早く『名探偵なんか怖くない』を書き、『殺しの双曲線』 『七人の証人』などで奇想をくりひろげた西村京太郎先生は同時代にどう評価されたのか。 佐野洋氏は『推理日記』でその発想のユニークさゆえに槍玉にあげることが多かったことを認めている。》 芦辺拓
https://twitter.com/ashibetaku
『名探偵なんか怖くない』『殺しの双曲線』、どちらも面白かった記憶。筋は覚えていない。
ネットの拾いもの。
《 ♪ きっと君は区内〜…… 》