「覚醒と酩酊」

 「今年の本 ベスト3」が新聞などに載っている。今年出版されて読んだ本では、椹木野衣『後美術論』 美術出版社、椹木野衣編『日本美術全集 第19巻 戦後〜1995 拡張する戦後美術』小学館、ヴァーノン・リー 『教皇ヒュアキントス』国書刊行会の三冊が、私の今年の三冊。

 今回もコミックマーケットに行けず。こんな寒い朝に徹夜で千人も待っているとは。やだやだ。といって 家こもりでは体がなまる。自転車でブックオフ長泉店へ。うーん、何もなし。ま、それもいいか。近所の スーパーで食料調達。読書。松浦寿輝『明治の表象空間』新潮社2014年初版を少しずつ読んでいるが、 明治前期がその主舞台なので、こんな文に出合う。

《 最終的に思軒は、漢学は日本における「拉丁(ラテン)学」として復活するだろうと予言しているが、 この比喩は比較文化史的な視点から言ってもきわめて肯綮に中った明察にほかなるまい。
  先に四迷、子規、漱石、鴎外といった名前を挙げたが、彼の「漢文体」への執着を差し引いても、 その周密な言語意識において森田思軒自身もまた実はこの系譜において先駆者の位置を占めていると言えはしまいか。 それにしても、これらの名前がすべて小説家や小説翻訳者のそれであるという日本特有のこの奇妙な事態は、 いったい何に由来するのだろうか。 》 164頁

 前段の「肯綮に中った」は、「こうけいにあたった」と読む。読めたけど、肯綮なんて漢字は初めて。

 引用とは無関係だが、「覚醒」と「酩酊」。この二つの情態が、必要不可欠なのだ。依頼され、紙媒体に印刷 された文章は、覚醒と酩酊の双方の情態が混交して生産されたもの。この発想は演繹したくなるなあ。

 ネットの見聞。

《 Twitterによる販促キャンペーンの歴史を変えたという意味で、「ヒュアキントス以後」というタームはどうか。 》

《 グラフィックデザイナーの部屋。文句なしのリノベワンルーム 》 おしゃ家ソムリエおしゃ子!(2)
 http://realestate.yahoo.co.jp/magazine/fuufumanzai/20151226-00000001

《 算用数字がデフォの媒体で登場人物の年齢を「25歳」と書き、続いて他の人物を「四十路半ば」 と書いたときの、この座りの悪さよ。でも40代とは書きたくないんだよなー。 》 大矢博子
 https://twitter.com/ohyeah1101

《 fujiyama glass(富士山グラス) 》 keita suzuki
 http://www.designboom.com/design/fujiyama-glass-keita-suzuki-03-06-2015/

 座りがいい。

 ネットの拾いもの。

《 ♪ ウラジオでは 寒中水泳する 若者が増えているぅ〜 今観たTVの ニュースにあった  だけども 問題は 今の僕 水着がない♪ 行かなくちゃ 川に泳ぎに行かなくちゃ…… 》

《 【吉報!】
  仕 事 納 め!!!

  【悲報!】
  弊 社 は 3 0 日!!!  》