「途上にて」

 記憶が確かなら、今世紀一泊以上の旅に出ていない。すなわち日帰り旅のみ。二十代は旅にあこがれ、 いろいろな所へ、といっても九州、沖縄そして新潟富山石川和歌山の各県は、未だにかすってもいない。 岐阜県は新幹線で通り過ぎただけ。これで旅が好き、とたびたび言ってきたからなんというか、まあ そんなものだ。学生時代は北海道へ夏二回冬一回行った。今にして思うと、あんな軽装で雪の大雪山や 雪の摩周湖、知床の流氷など、よくぞ寒さを感じなかったわあ、と呆れる。若いとはそういうものだろう。
 なぜそうまでして遠くへ行きたいと希求し、急行夜行列車に乗って北へ向ったのか。理由は簡単。 熱烈に恋する女性を求めていた。求める女性の容姿性格はまるで考えていなかった。ただ、北、北方には 希求する女性がいるはずだ、という何の根拠もない思い込みで。なかなかな女性には出会った。当然だが、 すべて実を結ばなかった。当たり前だ、と今ならわかる。相手を求めるばかりで、自らを省みなかった。 いや、自らを自覚していたからこそ、三島ではないどこかへ、と希求した。月日はいたずらに流れた。
 四十代になりこの三島で一所懸命と、断念から立ち上がった。私は私、これだけの私。これ以上でも これ以下でもない、ただの私。ありのままに、だ。その境地になるまでに四半世紀。それから四半世紀。 ジジイの今は開き直り。いや、開き直るしかない年齢になった。やれやれ。といって恥ずかしいことは…… したくない。恥をかくのはかまわないけど。
 そんな懐旧が、五木寛之『旅のパンセ』ランティエ叢書1997年初版の目次を見ていて浮かんだ。 本を持つ効用の一つは、読まなくても本がそこにあるだけで刺激を受け、意欲が思考がさらには想像力が 立ちあがることだろう。本文を読まなくても、だ。これが電子書籍だったら。いやあ、要らないわ。
 私の人生、最期まで夢の途中、夢の途上。どこで行き倒れるかな。四十歳のときに書き、今に至る 転機となった拙稿「水と緑の情感都市へ」を以前日録に掲載した。
  http://d.hatena.ne.jp/k-bijutukan/20141116
 この間豆州楽市で買った島レモンを半分に切り、手で絞ってマグカップへ入れる。砂糖適量。お湯を注ぐだけで レモンの香り立つホット・レモン。これは旨い。じつにまろやか。もっと買っておけばよかった。真冬に最高。
 http://www.jimotie.net/2016/01/1657/

 ブックオフ函南店へ自転車でいく。無風なので気持ち良い。奥泉光『モーダルな事象』文春文庫2008年初版、 矢崎存美『キッチンぶたぶた』光文社文庫2010年初版、計216円。

 注文した國枝史郎『犯罪列車』未知谷2013年初版2700円が届く。早。

 小代有希子『1945 予定された敗戦: ソ連進攻と冷戦の到来』人文書院、アマゾンのレビューへの拙稿に
《 4人中3人のお客様がこれが役に立ったと考えています。》
 うれしい。
 http://www.amazon.co.jp/1945-%E4%BA%88%E5%AE%9A%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%95%97%E6%88%A6-%E3%82%BD%E9%80%A3%E9%80%B2%E6%94%BB%E3%81%A8%E5%86%B7%E6%88%A6%E3%81%AE%E5%88%B0%E6%9D%A5-%E5%B0%8F%E4%BB%A3-%E6%9C%89%E5%B8%8C%E5%AD%90/dp/4409520628

 ネットの見聞。

《 逆にいうと、日本のリスナーは「マチュアでない歌唱」に偏愛を覚える傾向があるということかもですね。 》  栗原裕一郎
 https://twitter.com/y_kurihara

 アマチュアと誤読してヘンだなあ、と。マチュア matua =成長しきった、円熟した。音楽はマチュアしか惹かれない。

《 占いで呪われると言われた?それは裏無い  》
 http://hasunoha.jp/pickups/65

 ネットの拾いもの。

《 結婚相談所による結婚できない人の特徴

  ・条件を「三つ以内」に絞れない

  ・ビジュアルへの要求水準が高い(恋愛経験値の浅い人に多い)

  ・女性は「見極め」が早すぎ、男性は「あきらめ」が早すぎる 》

《 自分の携帯にGPSアプリを入れて、夫の鞄や車の中に隠しておく。

  ↑簡単にできる浮気調査 》