『日本美術応援団』

 昼前、源兵衛川中流域、時の鐘橋〜水の苑緑地の下までのヒメツルソバを駆除。一時間で土のう袋半分ほど。 去年の成果を実感。今年は楽だ。

 赤瀬川原平山下裕二『日本美術応援団』ちくま文庫2007年3刷(元版は2000年)を読んだ。二人の対談で進む。

《 ただのスイッチポンで映像が出るのではないもの。それが日本美術の中にはその性質上深く染み込んでいる。 誰にでも開かれてはいるが、そのものは非常に微妙で、繊細で、裏返しで、向こうからは出てきてくれない。(中略)  一見ひ弱にも見えるが、それは見る者の力次第で、静かに、ゆっくりと全身が出てきたときには、その大きさに 圧倒される。 》 12頁 赤瀬川原平「まえがき」

 若い時には日本美術の面白さがわからなかった。クレー、マチスピカソらを凄いと思っていた。

《 赤瀬川 枠組みが変わると今度はその変わった世界が見えてくる。
  山下   トマソンなんかまさにそうですよね。
  赤瀬川 トマソンはね、本当にそう。まるで見えなかったものが見えてきた。
  山下  視覚とか認知とかの枠組みを一種変える作業なんでしょうね。 》 28頁

《 山下   僕は北斎って、美空ひばりに似ていると思うんですけど。
  赤瀬川 美空ひばりですか。
  山下   何をやってもできちゃって、抜群にうまいし、でも、下品なんですよ。ある下品さを絶対に捨てきらない。
  赤瀬川 うんうん。下品さっていうのは分かりますね。まあ広重にはない感じだな。 》 71頁

《 赤瀬川 そうですね。縄文に限らずですけど、歴史的に見ることも必要だけど、歴史的に見ないことも 必要なんですよね。要するに、モノが今そこにあるわけだから。
  山下  歴史的に見ないことで等身大の実感を得ることをもっと大切にしたいですね。
  赤瀬川 だから古いものも新しいものも、表現された物としては全部等価でよすね。歴史的な遺物にしろ古美術にしろ、 やっぱりつまらないものはつまらない。
  山下  いくらお墨付きがあっても。 》 81-82頁

《 山下   だけど僕は基本的には、画家がどんな生涯を送ろうが、絵とその人の生業(なりわい)とか生活とかは 切り離して見るべきだと思うんですよ。特に近代の画家だと、どうしても「生涯と芸術」みたいな語られ方に なっちゃうでしょう。「生きざま」っていう言葉、大嫌いなんです。
  赤瀬川 そうそう、絵よりも人間物語みたいになっちゃって。 》 109頁

 カラヴァッジョ展の紹介記事。

《 本展は、(中略)その他関連伝記資料などにより構成し、カラヴァッジョの劇的な人生と作品、 そして彼の芸術が美術史に与えた影響を紹介します。 》
 http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2016caravaggio.html

 明日へ続く。

 ネットの見聞。

《 メルトダウンの公表に関する新たな事実の公表についての知事コメント  》
 http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356835840353.html

《 【みな後付け2】原子力村学者を先頭に、炉心が一部溶けただけと、できるだけ事故を小さく見せようとした。 メルトダウンの可能性に言及し、避難を急げと会見した保安院の中村審議官は即刻更迭。責任者がすべて逃げ切った 5年たって実は…と言い出す。不良債権問題以来繰り返されてきたパターンです。 》 金子勝
 https://twitter.com/masaru_kaneko/status/702637814723182593

《 2016年理想の老師ランキング!
  4位種田山頭火(付き人をしながら全国を旅をしてみたい)
  3位白隠禅師(御朱印に書く水墨画を習いたい)
  2位歌丸師匠(まさに生きた仏、即身仏とはあの人のこと)
  1位一休さん(トンチで解決してくれそう優しそう)
  以上坊さんに聞いた老師ランキングでした 》 坊主バー(四谷)
 https://twitter.com/vowzbar_yotsuya/status/702373741397995520

 ネットの拾いもの。

《 「女は愛嬌、男は読経」
  「いい読経してるぜ」 》

《 不幸のサイエンス 》

《 本棚を新調して机の上の本を片づけて、ついでに机も新調して読みたい本が、特にない。 》