中野翠『いちまき ある家老の娘の物語』新潮社2015年初版を読んだ。いちまき(一巻)とは血族、一族のこと。 去年の毎日新聞、井波律子の評を読んで読みたくなっていた。まさか彼女の親戚筋が沼津市の知人とは。内容は幕末、 家老の娘に生まれた「みわ」の波乱万丈の生活を軸に見えてくる、激変する時代を生き延びた生活史としても興味深い。 井波の評から。
《 「狐」のペンネームで知られた鋭敏な書評家とその兄から、彼らが、みわの妹の曾孫であることを知らされ、 不思議な縁に「何ともいえない奇妙な気分」になったりする。 》
http://mainichi.jp/articles/20151227/ddm/015/070/025000c
『いちまき』ではここの記述が最も印象深かった。本棚から『いちまき』の主役「中野みわ」が初めて 採り上げられた『会いたかった人』徳間書店1996年初版を抜き、最終章「中野みわ」を読んだ。
《 私はどうも”敗者”たちの文学の系譜に惹かれてしまうようだと気づき始めた頃、私の家もまた旧幕臣だった ということを知った。 》 263頁
私も”敗者”たち(非、反主流、異端)に惹かれる傾向がある。北一明、種村季弘、中井英夫。日展の参与でありながら 「先生の絵は売れません」と画商がつかなかった安藤信哉。昭和十年の美術雑誌の新春座談会で、海外で人気だと話題の 木版画絵師小原古邨。
本棚から狐『野蛮な図書目録 匿名書評の秘かな愉しみ』洋泉社1996年初版を抜く。井波律子『中国のアウトサイダー』 筑摩書房への評から。
《 井波律子の書こうとするのは、いわば活劇の精神史である。古典は滅んだ言葉の集積でありながら、同時にまた、 そうではない。滅んだ言葉の山から何かが赤い血の色を見せて起き上がることがある。血を通わせた井波律子の技を、 本書に読みたい。 》 84頁
これはそのまま『いちまき』への評言となる。
ネットの見聞。
《 国立大学での国旗掲揚・国歌斉唱の強制がなぜ憲法問題なのか 憲法研究者100名による声明 》
http://synodos.jp/politics/16580
《 ポール・クルーグマン 『私が東京で言ったこと』 》
http://sp.ch.nicovideo.jp/niconicoffee/blomaga/ar997582
《 Best Volleyball Blocks Ever with Scott Sterling 》
https://www.youtube.com/watch?v=oY2nVQNlUB8&feature=youtube_gdata_player
バレー・ボールの試合のブロック珍事。エイプリル・フールじゃないよなあ。
《 ご存知でしたか?「エイプリルフール」という言葉が一番最初に使われたのは1629年でした! 》
https://twitter.com/OUPAcJapan/status/715705463678050305
ネットの拾いもの。
《 世界初、ゴースト捕獲装置の開発に成功 》 ソニー
http://www.projectpp-0401.jp/
《 【4/1 新発売】モス史上最高傑作!《マンモスバーガー》 》 モス・バーガー
http://mos.jp/cp/april1_2016/?utm_source=Twitter?utm_medium=social?utm_campaign=20160401
《 以前より「まぎらわしい」とのお声をいただいていたみんぱくと民泊。ついにみんぱくが民泊事業に進出します。 お気に入りの展示場で神像や仮面に夜通し見つめられながら過ごせば、きっと忘れられない思い出になることでしょう。 》 国立民族学博物館
https://twitter.com/MINPAKUofficial/status/715737941205626880
《 本日、劇場版『ゴジラ対エヴァンゲリオン』の製作を発表いたします! 》
《 基本的に日本の大企業のトップは全員バカなんだと思っておかないといけないんだな。 》
《 目のつけどころならぬ、つけいれられどころか。 》