「塚本邦雄」

 昨日の『塚本邦雄監修 現代詩コレクション』書肆季節社1990年の序文「さらば詞華、されば詞華」結び。

《 詩人の運命、詩作品の評価について深く考へ、あまりにも不可解な要素の多さに立ち竦む。いつの日かまた、 輝けるマイナー・ポエットの詞華集が編みたい。 》

 それは美術芸術でも同じだと思う。2日に引用した『青い日記帳 出前ブログ』の椹木野衣インタビュー記事。 現代美術専門家それも椹木野衣氏が味戸ケイコさんの絵を真っ当に評価している。万歳〜!どれほど元気づけられたか。 じつに孤独な歳月だった。

《 このように、戦後という時代には、美術の専門家や公的な美術館が従っている基準からはずれている画家がたくさんおり、 その魅力にとりつかれて孤独にそれらを守ってきた人もいるのです。そういう絵や人たちが戦後という時代の中で 存在していることを忘れてはいけないと思います。それだけの評価や鑑賞に価する作品ばかりなのですから。 》
 http://nichibi.webshogakukan.com/bluediary/2016/03/post-11.html

 嬉しくてお礼状を認めた。昨日お返辞が届いた。お心遣いに胸が熱くなる。

 塚本邦雄関連でネット検索をして松岡正剛の『千夜千冊』「1270夜 塚本邦雄 星餐圖」に行き着いた。
 http://1000ya.isis.ne.jp/1270.html

《 そういう芸当を決定的にぼくに告知したのは、あまり知られていないだろう『清唱千首』(1983・冨山房百科文庫) である。万葉から桃山におよぶ千首をとりあげて、この一冊の部立集だけで、日本の和歌の選りすぐり編集は尽きている のではないかという絶唱集だった。 》

 本棚には冨山房百科文庫ではなく、その愛蔵版(1983年、四千円)がある。彼の本は大きい活字でこそ読むべきと思う。 そして『星餐圖』。

《 この歌集で初めて「1頁1首1行組」が登場したという点でも(写真を見てほしい)、それまでの疑似文語をやめて 真正文語にとりくんだという点でも、新鮮かもしれない。 》

 『星餐圖』は当時購入して読んだ。今も本棚にある。すげえ贅沢な本だなあ、と感嘆。以後、一頁二首の歌集でさえ 見下す気分が抜けなかった。

《 なお、塚本の歌はほとんど漢字は正字で、仮名は旧仮名遣いで表示されているのだが、これは今日のネットに流布する フォントではほとんど再現不可能なのであしからず。また、もっと困るのはルビであり、これもお手上げだ。 本当は歌集を開いて、画数の高い漢字にしがみつくルビとともに読むべきである。 》

 ルビのない漢字を辞書と首っ引きで苦労して読んだ。二十歳そこそこの若造には「天鵞絨」さえ「びろうど」と読解 するのに難儀した。白玉書房版『塚本邦雄歌集』1970年初版にはそんな鉛筆によるルビの書込みばかリ。バイブルのよう。 後日、信を置いていたこの本にも誤植があると知り、ガックリ。これだけは見つけられない。「汝姦淫するなかれ」。
 http://bushoojapan.com/news/2015/11/01/62255

《 けれども、そういう塚本邦雄を本気で議論するのは、骨が砕けそうだ。ぼくはやっぱり塚本の超編集術を 堪能しているほうがいい。 》

 全く同感。未知の世界が開ける快感のためにだけ読む、読み耽るのだ。いつか黄泉の国へ引かれるまでは。

 昼前、昨日見つけてしまった下源兵衛橋付近と三島梅花藻の里のヒメツルソバを抜く。土のう袋半分弱。これで一安心。
 午後、女性二人とごった返す三嶋大社へ。散りゆく桜を写真に撮る善男善女。境内では結婚式。近くの店で一休み。談笑。

 味戸ケイコさんから神原良詩集『オタモイ海岸』コールサック社2016年初版を恵まれる。表紙が味戸さんの絵。また世界が 広がったような。添えられた味戸さんの手紙に心打たれる。
 http://www.coal-sack.com/syosekis/view/1875/%E7%A5%9E%E5%8E%9F%E8%89%AF%E8%A9%A9%E9%9B%86%E3%80%8E%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%83%A2%E3%82%A4%E6%B5%B7%E5%B2%B8%E3%80%8F
 ネットの見聞。

《 新入社員にメールのTo、Cc、Bccの違いを教えるのに使える例

  To 妻 愛してるよ

  Cc 娘 パパはママのことこんなに大切にしてるよ

  Bcc 浮気相手 こういうことになってるんでよろしく 》

《 千葉市にある呂久呂のカレージャンボトーストは食パン1斤の中にカレーが注ぎ込まれている! パンの中身は賽の目に切られて押し込まれてるので器になってる耳も合わせて1斤丸ごと味わえる! 食の細い人は気をつけよう!あとコーヒーが美味しい! 》 ホルモン
 https://twitter.com/junmatsu5213/status/718012669597356034

 ネットの拾いもの。

《 【新社員研修】
  某知人からの情報によると、誰もが知る超有名な某社では、40年ぶりに「電話の使い方」という講義が復活したそうです。
  ここ数年、研修後の新入社員の配属先から、「電話の使い方を新社員研修に加えてくれ!」という要望が殺到していたとの事。 》

《 「げほげほ。わしの若い頃にはツイッターなんてもんがあってな、わしなんか一度だけ2万リツイートされたことがあるんじゃよ」 「はいはい、山田さん(またその話か……)」みたいなやり取りが将来の介護現場で交わされたりするんだろうか…… 》