「描線の技芸」

 昼前、源兵衛川下流部、一本松右岸の石垣のヒメツルソバを抜く。殆どが芽。昨夜の雨で湿っているのでスッと抜ける。 桜の花びらが長靴に点々と。シャツ一枚で汗ばむ初夏の陽気。小一時間で終了、帰宅。コーヒーを淹れている最中に電話。 抽出を諦め、電話に出る。畳替えの宣伝。去年した、と切る。ああ、コーヒーいつもの半分。

 午後、デザイナー内野まゆみさんが原画を描いたテディ・ベアが昨日、タンクトップの服にシルクスクリーン印刷で 仕上がった、それを拝見。黒一色の線描画が、なんか新鮮。甘くないテディ・ベアを、一緒に観た女性たちは「わあ、 カワイ〜イ!」と歓声。だなあ。特に一番小さい服に印刷されたものは、皆が欲しがった。私も。
 内野まゆみさんは商業デザイン(ロゴマーク、包装紙など)を手がけているが、子どもの時から書を修練しているので、 描線が潔く美しい。専業画家でも、これだけの魅力的な描線を引く人は、管見ではわずか。

 昨日引用。

 《 【イラスト】挿絵よりは高級だが、油絵のように投機の対象にはなりえない絵。 》

 宇野亜喜良の自称「飾画家」が浮かんだ。いい言葉だ。飾画職人は、銅版画家林由紀子さんを評する私の造語。今 作った。彼女はツイートしているが、絵が宇野亜喜良に似ていると言われることがよくあるらしい。私にすれば、どこが? だ。エロティックな雰囲気? 全く異質だろう。よくワカラン。んなことが頭の片隅に滞留していたようだ。
 寺井尚子のCD『 VERY COOL 』2014年を聴いていて、はたと気づいた。林由紀子〜寺井尚子〜内野まゆみを結ぶ線の一つは 職人芸。受け手の心を鷲掴み、また一瞬に拐ってしまう技芸、伎芸。異郷への誘(いざな)いではなく異郷へ拐う鮮やかな技。 それが三人に共通する際立った特色。
 もう一つは官能。四日のブログに書いたASEXSUAL(アセクシャル)だ。肉欲へ誘うセクシャルではなく、肉欲へ誘わない 官能。寺井尚子のヴァイオリンの響きの軌跡が、鏡面のように磨かれた銅版画の表面をすーっと彫ってゆくビュランの、 滑らかな動きのように、また、すーっと柔軟に弾む毛筆の描線のように、ありありと見えてきた。
 そして三つ目の線。投機の対象にはなりえない絵だからこそ、愛着をもって愉しまれる「私だけのタカラモノ」だ。この 三点セットで、三者には深いつながりがある。手描き、ビュラン、演奏と表現形態は違えども、そこには技芸、伎芸が みっちり仕込まれている。官能的であり、アセクシャルである、稀なる高潔な作品たちだ。手元には宇野亜喜良の肉筆の原画、 林由紀子さんの手彩色銅版画、内野まゆみさんのタンクトップに手描きのテディ・ベアなど。これぞ快楽かな。
 http://www.art-life.ne.jp/creator/artist_top.php?artist_id=C0005
 https://twitter.com/PsycheYukiko
 https://www.youtube.com/watch?v=XLx_-uEK4FU
 https://ja-jp.facebook.com/mayumi.utino.52
 ネットの見聞。

《 眠たくないので個人的な環状線の感想述べました 》 ぴみこ
 https://twitter.com/pimiko_inzm/status/720296239514816512

《 実は昨日、部外講師として陸自の幹部学校にお招きを受け、将校教育について講義、西側チームの一員として 持ち場を守っていればよかった冷戦時代とちがい、さまざまな想定外の事態に対応できる将校が必要だと 強調してきたのですが、その日のうちに災害出動になろうとは……まったく常に備えよ、です。 》 赤城毅
 https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/720786011005935616

《 原発事故時の住民避難「九州新幹線活用を」 薩摩川内市長 》 日本経済新聞
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS1800T_Y4A810C1EE8000/

 2014年の記事。九州新幹線、まだ動きません。

 ネットの拾いもの。

《 翻訳 瓜二つ → Melon Two 》

《 予測不可能なアニメ → 機動戦士ランダム 》