曇天。こんな日はオツムが昼行灯。昼前、２日の割引セールまで待てない、ブックオフ長泉店へ自転車で行く。 文庫本を三冊。池田清・編『太平洋戦争全史』河出文庫2006年初版、保阪正康『昭和の戦争を読み解く』中公文庫 2006年初版、ジャン=パトリック・マンシェット『眠りなき狙撃者』河出文庫2014年初版、計324円。『眠りなき狙撃者』 は単行本を持っているけど、解説を立ち読みして……購入。しかし、『愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える』 光文社古典新訳文庫が同じマンシェットだとは知らなかった。
引用には細心の注意を払うが、なにせ粗忽者、しょっちゅう間違い。昨日も恥ずかしい誤字。朝さり気なく訂正。
大岡信詩集『悲歌と祝祷』青土社1976年初版を読んだ。昨日書いたが、この詩集から詩が旧仮名遣い。印象的な 詩句を。
《 風はたえずもんどりうつて滑走し、あらゆる隙間をうめることに熱中する透明な遊行者だ。
それは空中に位置を移した水といふべきだ。 》 「風の説」
《 なぜもない
ゆゑにもない
断言肯定断言否定の
なんたる解放
なんたる歓喜 》 「死と微笑」
《 沈め
詠ふな
ただ黙して
秋景色をたたむ紐となれ 》 「水の皮と種子のある詩」
《 澄んだ空気にかつゑる通風孔
引き裂く雷鳴を待つ榛の樹
流星の通過に受胎し
なめらかな女体となるだれのものでもない夜空 》 「水の皮と種子のある詩」
《 希望といふ残酷な光は
水平線にまだ漂つてゐる時刻なのに 》 「そのかみ」
《 よくきく眼は必要だ
さらに必要なのは
からだのすべてで
はるかなものと内部の波に
同時に感応することだ 》 「豊饒記」
《 近づいてくるものよりは遠ざかるものに いつそう豊かな陰影があつた 》 「サム・フランシスを夢みる」
引用して気づいた。後半二つは評論、エッセイとして書かれたものの一部といっても不思議ではない。この方法で あの絵画を論じられる、新たな鑑賞法が開けてくる予感……ワクワク。しかし、評論、エッセイとは相性がいいが、 詩はどうも相性がよくないようだ。謎だ、謎解きだ、ワクワク、とのめり込めない。とっかかりの詩語に遭遇しても そこから先が開けない。詩群の大海原を漂流し、岩礁を発見しても、接近はできるが接岸できる浜が見つからないような。 無分別無鉄砲に勝手に分け入ることができない。遠望するのみ。
「死と微笑」は副題が「市ヶ谷騒乱拾遺」（騒は異体字）。一昨日の「あとがき・独白」
《 私は自分の詩作品がほとんど常に、同時代の流行の生活感覚や流行思想に対する本能的な疑惑、嫌悪、 怒りの衝動と切離せないところで芽生えたものであることを知っている。 》
を想起させる。すなわち三島由紀夫割腹自殺事件。引用した詩句は、三島由紀夫や同時代の政治運動家たちに 見られた言動だ。そこから先の読解を私は進められない。解析力の限界、関心領域の境界を感じる。
ネットの見聞。
《 今までも中傷コメントはありましたが、／今回の震災の記事に関して／ネガティブなコメントが ／あまりにたくさん来ていたので／調べてみたところ、／おなじIPアドレスで／異常な数のコメントを書いてくる ／人が６名ほどいました。 》 平子理沙
http://lineblog.me/hirakorisa/archives/1056214373.html
《 熊本・大分、これだけの被害が明らかになってきたにもかかわらず、震災、大震災の文字をあまり見ない。 政府も実態調査はゴールデンウィーク明けなどと言っておいて、よく断言などできたものだ。規模のことを言いたいなら 「東日本」とか「阪神淡路」とかで表せる。震災であることはもはや明らかだろう。 》 椹木 野衣
https://twitter.com/noieu/status/725107351137570816
《 そういえばトニー・ケンリックってどうしたんだろうと思ったら、まだ存命なんですね。91年以降は 新作がないようだけど。Wikipediaは英語版がなく、日本語とフランス語のページしかない不遇っぷり。 本国ではすでに忘れ去られてる？ 》 風のハルキゲニア
https://twitter.com/hkazano/status/724995280945324032
邦訳では最後の『ネオン・タフ』だけもっていない。すべて未読……って。
《 妹(中３)が学校で「自分なりの季節感を春はあけぼの調で書く」っていう課題を国語の授業でやったらしく、 その内容が良かったから市の教育研究会が配ってる冊子に載ったんだけど、センスが有りすぎて大爆笑してる 》 ょぅι゛ょ
https://twitter.com/2boonvip/status/724978409445552133
ネットの拾いもの。
《 母「根津駅でいつもオタクっぽい人が降りるの結構見るんだけど、根津って何かあるの？」
東大だよ 》
