『はだか』

 昨日の城昌幸『ハダカ島探険』、題名だけでは女護が島なんかを連想させるが、小島の半分が地すべりした無人島。 ハダカ連想で、谷川俊太郎詩集『はだか』筑摩書房1988年初版を再読。表題作「はだか」にぐっと惹かれた。十八行の詩の 最後の三行。

《  じぶんのからだにさわるのがこわい
   わたしはじめんにかじりつきたい
   わたしはそらにとけていってしまいたい  》

 その前の詩行とはがらっと違った表情を見せる三行。ひりひりする表現は、昨日の味戸ケイコさんの銅版画に通じる。 またこういう表現は大岡信にはないなあ、と思う。やはり谷川俊太郎の詩のほうが断然、すっと没入できる。
 http://blogs.yahoo.co.jp/minagawa1000/19515407.html

 はだかといえばストリップ劇場。田中小実昌『女?現地ルポ』秋元書房1969年初版にはこんなくだり。

《 われわれ信者にとって問題となるのは、全国で三百軒に近いストリップ小屋。 》 68頁

 現在営業中のストリップ劇場は三十軒もないらしい。激減というか絶滅危惧だ。秘宝館並みになるか。出たばかりの 金原みわ『さいはて紀行』シカク出版、「性のさいはて――生命の潮吹きストリップ」が試し読みできる。
 http://uguilab.com/publish/2016saihate/
 http://uguilab.com/publish/2016saihate/tameshi_sei.html

 戻って『女?現地ルポ』から。

《 ボクが大阪港の近くにあるヌード劇場に出演していたときのはなし。踊っていたヌードさんが引っこんできて、
  「刑事らしい人相の男がふたり見ている」
   と報告した。たちまち楽屋は警戒警報。つぎの”特出し”のおネエサンは仕方なく、出さないで踊った。
   どんな刑事かと、ボクがのぞいてみると、大阪に住むSF作家の小松左京、もうひとりはボクの友人で、どちらも ゴツイ体の男。それでヌードさんが勘ちがいしたらしい。もちろん、すぐ警戒解除でめでたく”特出し”再開になった こともある。 》 68-69頁

 ネットの見聞。

《 ポケミスのビニールカバーは捨ててしまって一片の後悔もない私だが、古い岩波文庫の茶色く変色したグラシンは 捨てきれずにいる。ビニールを外したポケミスは艶々と美しいが、グラシンをはがした岩波文庫はなんだか裸になった ような気がするからかもしれない。 》 藤原編集室
 https://twitter.com/fujiwara_ed/status/730572461515800576

《 ここ数日のTL見てて思い出したけど、「不快に思ったならすみませんでした」的な謝罪って英語だと Non-apology apology(謝らない謝罪) って呼ばれてて、英語版wikipediaに記事があるくらいなんだよね。 》 らいと
 https://twitter.com/raitotoko/status/730393749377802242

 ネットの拾いもの。

《 せっかくなんだから、要人全員オスプレイに乗せて、廃炉作業を視察させれば良いのに。
  廃炉作業、サミット期間中は休止 東電 》