『骨董屋からくさ主人』

 昨日午後、ブックオフの帰りに知人が参加しているグループ展を見、北斎道子展最終日の会場へ。完売。人気あるわ。
 http://hokusaimichiko.web.fc2.com/
 昨晩、友だちの知人家族を引き連れて源兵衛川中流部、水の苑緑地でホタルの観賞。かわせみ橋から見るホタルの乱舞に 皆感動。友だちは「ずっと見てると眠くなるね」。私は夢幻の境地だが。よかった。肩の荷が下りた。

 中島誠之助『骨董屋からくさ主人』角川文庫2005年初版を読んだ。易しい言葉で骨董の魅力をさり気なく伝えている。 勉強になる。これを読んで連想したのが、出久根達郎の古本話。骨董 VS. 古書。いい勝負だ。比較してみたくなる。 それはさておき。女優の高峰秀子の骨董店を手伝っていた時のこと。

《 紳士が立ち去った後で、ことの一部始終を黙ってみていたアネさんが、こう言ったのである。「セイちゃん、 あんたあのとき顔がすっと青くなったろ。ああいうときはね、いいこと教えていただきました、と言っておけば いいんだよ、まだまだ修行が足りないね」
  このできごとは、アネさんが授けてくれた教訓のひとつとして、いまだに私の心にしっかりと残されている。 》  16頁

 高峰秀子、にわかに気になった。

《 物好きにとっては、買ったものを売らないですむことが一番嬉しく、それにもかかわらず、自分の持っている品が いくら位になったものかと、詮索を始めでもしようものなら、趣味の道はもう終末であり、つまらぬものになる。 》  66頁

 周囲はすぐに値が上がるか、と話題にする。私は答える。「死んだ後になって値が騰がる」。

《 小箱というものは、それが木製であれ、紙で折ったものであれ、何故か人の心をとらえるものがある。 》 66頁

 小箱が好き。だけど、容れるものがなくて処分することが多い。手元に残っていいるのは、外径五センチ四方の布装の箱、 直径二センチ、高さ四センチ余の木製の刳り貫きミニ茶筒。あまりに小さくて掌に乗せて楽しんでいる。チェーンソー・ カーヴィングで名を馳せた伴正史氏から四十年前、注文した仏像のおまけで恵まれた木彫の女性像は、台座を入れた高さが 四センチ弱。仏像は仏壇に、女性像は手元に。愛玩物。「思い出の作品より」
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~ban/sankou.htm

《 無垢でなければ目が見えず、儲かりだしたら目は利かなくなるのである。 》 236頁

 上記結びの一文に頷く。それにしても骨董には縁がない。古物は好きだが。

 ネットの見聞。

《 ベルナール・ビュフェ美術館で、ロベール・クートラス(1930-1985 PARIS)の《僕は小さな黄金の手を探す》を観る。 なぜ周りの人たちが(とくに若い人たち)がこんなにもクートラスを話題にするのかと思って実物を観てみたら、なんだ、 スマホのケースじゃないか。そのサイズ感といい、時代が付けた擦過傷にも似た肌理に秘密があった。これはいい。 》  平野雅彦
 http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/2230.html

《 それはどんな「村」なのだろう。いつも、自分の依って立つ場所の輪郭はよく見えないのだ。 》 大野左紀子
 http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20160523/p1

《 首相官邸がこの人物の動向に神経を尖らせていた。日本における「表現の自由」の現状を調査するため4月に来日した、 国連特別報告者デービッド・ケイ氏(47)だ。 》 FACTA
 https://facta.co.jp/article/201606009.html

 ネットの拾いもの。

《 安倍をヒットラー総統になぞらえる向きが多いですけど、総統に失礼ではないですか。
  アメ政府やCFRの振り付けに従っているだけの安倍と総統とでは、能力が違い過ぎますよ。 》

《 ヒラリーはサンダースより強く、トランプはヒラリーより強く、サンダースはトランプより強い。 そういう状況みたいですね。 》