「ふつうが一番」

 朝八時過ぎ、この地域に大雨警報発令。土砂降り。職場へ急ぐ人たち……。沖縄は慰霊の日。

 雨が止んだ昼前、沼津市大手町のギャラリー・エビスヤで始まった「風の子造形教室展」へデザイナーの 内野まゆみさんと行く。期待通りやったら面白い開放的な作品群が展示室一杯に広がっている。型にはまらない 子どもたちの、普通にしてすっ飛んだ発想には大人はかなわないわ。

 内野まゆみさんがいつも言っている「ふつうが一番」。やはり時代の先を行っている。

《 「個性的=かっこいい」という観念が破壊され、時代は今"ふつう"を欲している。 》 坂井直樹
 http://sakainaoki.blogspot.jp/2016/06/kinfolk.html

 絵画にもそれを感じる。狂乱と実験の二十世紀を経て、写実抽象といった分類を無効にする絵画が見出される。 さり気なく見えるけれどもじつは深く豊かな絵画世界。先陣を切ったのはセザンヌか。セザンヌ没後百年を経て 時代は螺旋状に巡り、追いついてきたか。……味戸ケイコ。
 両手に余る絵画から手に持てる絵画へ、と絵画のスケールダウンを予感しているが、これも「ふつうが一番」の 流れにあるのだろう。昨日三島市美術展へお付き合いで見に行ったが、その多くは意気込んだ美術表現に囚われた、 大きいばかりの絵画。早々に引き上げた。

 ネット注文した古本、山口昌男『「挫折」の昭和史』岩波書店1995年初版帯付美本が届く。970円。

 ネットの拾いもの。

《 きんにくつう:筋肉に詳しい人 》