「多面体画」

 昨夜、風呂あがりに試しに買った缶チューハイ「新鮮白桃もぎたて24時間」アサヒを飲んでみた。白桃味なので 甘い。酒と美女にはめっぽう弱い。苦い思い出を甘い酒で胡麻化そうとしたが、やはり無理だった。なんて科白を 柄にもなく言ってみたい気分。しかし、人生の苦味を甘みで中和させるのは、料理同様間違いだった。アルコール度 9%だからか、早ほろ酔い気分。手元があやしい。音楽を聞きたくなるが、あぶないアブナイ。寝るしかない。

 ブックオフ三島徳倉店で二冊。カルロス・ルイス・サフォン『天国の囚人』集英社文庫2014年初版、ジャレド・ ダイアモンド『銃・病原菌・鉄(下)』草思社文庫2012年4刷、計216円。上下揃った。

 小阪修平『そうだったのか現代思想講談社+α文庫2006年9刷の再読終了。うーん、簡明簡略、そうかなあとも思う。 が、そういうこともあり。初読と再読では付箋を張る箇所がことごとく違っている。新しい付箋箇所から。

《 それにたいして今強くなっているのは──現代思想の特徴は、いろいろ言えると思うんですが──物事を関係のなかで 見ていくという発想もその一つです。 》 127頁「第三章 ソシュール

《 デカルト的な「見る」ことに重点をおいたものの考えかたが批判されるようになってきた現代では、人びとの関心は、 離れて「見る」ことよりも、触れたり聞いたりすることへと移ってきてます。 》 255頁「第六章 デリダ

《 つまり、本を思想の「代理」だと考えると、この本自体の意味はないわけです。本というのは書いた人の思想を もっている。ところがデリダは、本が読まれるということは、たえずずらされていくことだと考えます。だから、 本当の意味では誤読はないんだ。むしろ新しいいろんな関係を、本(文字)はどんどんつくっていく。そういうことを 積極的にみていこうではないかと言いました。 》 282頁「第六章 デリダ

《 世の中がシステムとして動かしがたいものになってきた。資本主義を引っくりかえすといった社会主義のほうが、 もっとひどいシステムをつくっている。そういうところでデリダは、「真理」なんてかんがえる発想がいけないんだ、 人間は言葉というシステムから逃れられない。でも、言葉をずらして使っていくなかに自由、精神の空間があると かんがえたんです。 》 319頁「第七章 ドゥルーズ=ガタリ

《 言いかえれば、文には、直接的にその文が表している意味と、間接的・従属的の表している意味があるということです。 その部分は、文のなかには直接は含まれていないんですけれども、ある関係のなかで現れてしまう。つまり記号を分析する 場合には、直接的な意味だけではなくて間接的な意味を分析しなくてはいけないんだという観点を打ちだしたわけです。 これは、ぼくが最初に読んだときに非常に納得したことです。記号学の用語は覚えなくてもいんですが、前者を 「デノテーション」、後者を「コノテーション」と言います。 》 344頁「第八章 ロラン・バルトボードリヤール」  

 現代詩におけるコノテーションが難題。例えば大岡信の詩。

 ネットの見聞。

《 抽象とは、ギリギリのところで発生するその人にしかわからない、むきだしの、ひとりだけの言語のこと。失語や 言葉にならない叫びも含む、個別の悲しみという他者には理解不能なコードによる言語。言葉としては誰にも通じないが、 だからこそ「ある救い」を可能にする。 》  福田尚代
 https://twitter.com/fukudanaoyo/status/747031881288278016

 それは具象画にも言えると思う。また、それだけではないとも思う。

《 16世紀の立体フェティッシュ画家Lorenz Stoerの本Geometria et Perspectiva表紙。 》 山田英春
 https://twitter.com/lithosgraphics/status/746689552396361729
 以下Lorenz Stoerの作品紹介が続く。
《 15-16世紀のヴェローナのフラ・ジョヴァンニの寄せ木象眼画にも多面体をあしらった面白いものがたくさんある。教会の壁に一種のだまし絵のようにして半開きの戸棚がずらりと並んでいる。 》
 https://twitter.com/lithosgraphics/status/746695567355437060
《 承前:偽の窓にはそのまま外の世界につながっているかのようなものがあり、多面体といい、エッシャーのアイデアの原型のようなものがいくつもみつかる。 》
 https://twitter.com/lithosgraphics/status/746696650869989377
《 承前:ルネサンス期に多面体の絵や彫刻が流行るが、この人の場合、ちょっと偏執狂的なものが感じられる。 》
 https://twitter.com/lithosgraphics/status/746690104391983105
《 承前:このジョイントでつながっているのは何? この図版集はなんと、336枚の絵が収録されているらしい。 HARALD FISCHER VERLAGからCD-ROMで販売されている。 》
https://twitter.com/lithosgraphics/status/746692598438322176
《  さらにもう一人の16世紀の「多面体画」の大御所(?)Wenzel JamnitzerのPerspectiva corporum regularium。ここで一覧できる。 》
https://twitter.com/lithosgraphics/status/746701699901849600
 「多面体画」にドンピシャリはまる。クラクラする。こんな面白い画家がいたとは。そして超絶象嵌細工。参ったなあ。
 http://www.galeriekugel.com/MARQUETRY-GAMES-BOARD-WITH-GEOMETRIC-PATTERNS-DesktopDefault.aspx?tabid=7&tabindex=6&objectid=655692&mediaid=1435029

《 アダルトメディアは国会図書館にも揃っていないし、アダルトビデオはフィルムセンターにも収蔵されていない。 これほど日本の大衆文化に影響を与えながら、こんなにも無視されるメディアが、現象が、ほかにあるだろうか。 世界の最先端を走る「日本のエロ文化」から、アカデミズムはそろそろ目を背けつづけることを止めるべきではないか。 》  『週刊新潮』、安田理央『痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか』への都築響一の書評から文字起こし

 日本大衆文化の盲点だな。貸本漫画と同じだ。

《 <汚染土>「管理に170年」…安全判断先送り、再利用方針 》 毎日新聞
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160627-00000005-mai-soci

 ネットの拾いもの。

《 ♪ 独身男(チョンガー)どもよよく聞けよ 独りぼっちが寂しいとて おんなに手を出すのは 考えもんだ  おんなはとっても怖いんだよ 純情なあんたにゃ とっても歯が立たない・・・・・・じゃ、そーゆーことで 》

《 消えた年金のデータは最後のお一人までお調べ致します。ただし、お預かりした年金は株ですって消えました。 》