『珍品堂主人』

 朝九時半、汗が出るのでパソコン脇の温度計を見ると32度。嘘だろう、天気予報を見ると予想は34度。冷房を 28度にして稼働。いやあ涼しい。元気になって電気掃除機を持ち出してお掃除〜。ついでにおトイレもお掃除〜。 汗ぐっしょり。当たり前だあ。

 ネット注文した古本、『山崎正和著作集 12 演技する精神』中央公論社1982年初版函付1200円、中村雄二郎 『かたちのオディッセイ』岩波書店1991年初版帯付1500円が届く。前者は定価3800円、後者は4000円。当時は買えないわ。 床に立てある古本、山口昌男の『「挫折」の昭和史』『「敗者」の精神史』『内田魯庵山脈』にこの二冊を足し、新刊の 仲正昌樹『〈ジャック・デリダ〉入門講義』、ウンベルト・エーコプラハの墓地』を据えると壮観。弩級の本たちだ。 いつ読むか。その前に。

 井伏鱒二『珍品堂主人』を『ジョン万次郎漂流記・本日休診』角川文庫1990年11刷で読んだ。沼田卓爾の解説から。

《 一九五九年(昭和三十六年)一月から『中央公論』に『珍品堂主人』(九月完)の連載が始まった。一九六○年の 安保闘争の前年にあたる。いったん解体された旧財閥会社も復活し、高級料亭が次々に店開きし、古美術品が高値を呼ぶ 状態になっていた。
  そういうなかで、井伏氏は、おそらく日本では類がないと思われる骨董屋を主人公にした作品を書いた。 》

 (昭和三十六年)は三十四年の間違い。結局金持ちには翻弄される、という筋。

《 ところが、そんな海千山千の骨董屋が、特異なものを掘り出したい一心で時たま真赤な偽物に飛びつくことがある。 泳ぎの巧者が水に溺れる譬えの通りです。それのいい例として、骨董界の天才と言われている人たちが馬鹿な目に遭った ことがありました。 》

《 「そんなときには、誰だって、全財産を投じても買おうと思うものですね」 》

 それはわかる。骨董(アンティーク)には興味が無い。ヴィンテージなら気になる。人はなぜ骨董に夢中になるのだろう。 古くても新しくても、それは人が作ったもの。ならばさほど古くないモノから面白いモノを探そうと思う。

 ネットの見聞。

《 ちなみに書籍の装丁は、装い訂(さだ)むで「装訂」と記すのが正式。「装丁」はその省略。「装幀」は掛け軸。 頑丈に作るという意味で「装釘」を好む人も。本文組みまでちゃんと(重要)出来る人は希少。クレジットに「本文AD (アート・ディレクション)」とあったら、特注の版面(はんづら)です。 》 津原泰水
 https://twitter.com/tsuharayasumi/status/749499069970518016

《 始めることと、続けることは全く別次元の話。最初に金もらえればどうにかなるだろう的な発想自体が、 なかなかもって何やっても厳しいよね。 》 木下斉
 https://twitter.com/shoutengai/status/749901230114086912

《 菅野完『日本会議の研究』(扶桑社新書) 版元も版元だし多少眉に唾をつけながら読んだが丹念な調査により 日本の右傾化の淵源を探り出す労作。一宗教の一分派にすぎない非民主的思想の持主たちの「民主的活動」により 今まさに悲願の憲法改正を手に入れようとしている。モダンホラーのようだが現実だ。 》 ストラングル・成田
 https://twitter.com/stranglenarita/status/749589609173049345

《 警察の投票呼びかけ中止に弁護士ら抗議 》 和歌山放送ニュース
 http://wbs.co.jp/news/2016/07/02/83605.html

 ネットの拾いもの。

《 傘を持って行かなかった姉に「雨ひどいけど大丈夫?」ってLINEしたら「私が濡れると思ってんの?」 と返ってきた。やだ、かっこいい 》 コトキル
 https://twitter.com/e_fguna/status/749511500314750976