『クレーの絵本』

 きょうは古書の日とか。新古書、中古本、古本、古書。私の目安。古書はアンティーク=明治以前。古本はヴィンテージ =大正〜昭和前期(戦前)。中古本は昭和後期(戦後)。新古書は平成〜ブック・オフか。

 谷川俊太郎・詩/パウル・クレー・絵『クレーの絵本』講談社1995年初版を再読。ふた昔前には魅力に気づかなかった詩。 その一つ。

    「選ばれた場所」

    そこへゆこうとして
    ことばはつまづき
    ことばをおいこそうとして
    たましいはあえぎ
    けれどそのたましいのさきに
    かすかなともしびのようなものがみえる
    そこへゆこうとして
    ゆめはばくはつし
    ゆめをつらぬこうとして
    くらやみはかがやき
    けれどそのくらやみのさきに
    まだおおきなあなのようなものがみえる

 詩句を打ち込んで最後の行の一字を打ち間違えていた。

    まだおおきなあなのようなものがきえる

 えらい間違いだ。意味ががらっと変わってしまう。後記にあたる「魂の住む絵」から。

《 クレーの絵は抽象ではない。抽象画には精神は住めても魂は住めない。 》

 勢いで谷川俊太郎『夜のミッキー・マウス』新潮社2003年初版を読んだ。その「あとがき」から。

《 「この詩で何が言いたいのですか」と問いかけられる度に戸惑う。私は詩では何かを言いたくないから、私はただ 詩をそこに存在させたいだけだから。不遜を承知で言えば、一輪の野花のように。 》

 そんな絵画が私は好き。

 ネットの見聞。

《 2016年詩のフェスタひょうごへmoonさんと出掛ける。高橋睦郎さんの講演を聴きに、である。タイトルは 「女性詩の力に導かれて」。片瀬博子にはじまって、多田智満子、葛原妙子、中村苑子伊藤比呂美と続く。 いずれもが当代きっての天才である。 》 渡辺一考
 http://www.despera.com/bbs2/2016/10/post_2054.html

  池澤夏樹=個人編集『日本文学全集29 近現代詩歌』河出書房2016年に多田智満子、葛原妙子以外の三名は落ちている。 選出作品は時代と選者によって随分変わる。歴史の篩(ふるい)にかけられて僅かに残るものは何か。
 https://www.amazon.co.jp/%E8%BF%91%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E8%A9%A9%E6%AD%8C-%E6%B1%A0%E6%BE%A4%E5%A4%8F%E6%A8%B9-%E5%80%8B%E4%BA%BA%E7%B7%A8%E9%9B%86-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%96%87%E5%AD%A6%E5%85%A8%E9%9B%8629-%E8%A9%A9/dp/4309728995

《 今回の台北訪問で最も衝撃だったこと。最大繁華街、西門町を車で走っている時、金車のスタッフがこんなことを言った。 このあたりの書店、もう小説本は売らなくなりました。買われないから。実用書、ノンフィクションの本だけ。 日本で、そもそもこれほど小説本が買われてきたこと自体が奇跡なんだよね。 》 島田荘司
 https://twitter.com/S_S_Kingdom/status/782796308201340928

《 大井町議選、座間市議選で共産党候補は全員当選、座間では順位・得票数も前進。ご支援に感謝します。
  一方、公明党候補は得票減、自民党は公認候補の落選や下位当選に追い込まれています。この流れを広げて総選挙に向かいたい! 新潟県知事選「原発再稼動の議論はしない」という米山隆一さん頑張れ! 》 あさか由香
 https://twitter.com/asakayuka/status/782857724568612864

 ネットの拾いもの。

《 ついには世界中があきれ果てて当日になって参加国が次から次へと欠場して閑古鳥が鳴いているオリンピック会場をテレビで見るのが 私の夢です 》