一昨日の話題、紀田順一郎『古本屋探偵の事件簿』収録の「殺意の収集」「書鬼」は、『古本屋探偵登場』文春文庫 1985年初版に収録。その「後記」。
《 ジャック・ベッケルの『モンパルナスの灯』を見ていたら、冒頭に「この映画は事実に基づいているが、 事実そのものではない」という但し書きがあった。なるほどと思い、それをそのまま本書にも流用させてもらう ことにしたい。 》
昨日の『われ巷にて殺されん』(「夜の蔵書家」)がまさにそれだ。『古本屋探偵の事件簿』と同じく瀬戸川猛資が 解説「人は本のみにて生きる」を書いている。紀田順一郎による愛書家の実像が紹介されている。その一部。
《 天変地異の場合には、家族よりもまず書物の心配をする。
貸した金は忘れても貸した本は死ぬまで忘れない。
書籍代に家計の80パーセント以上を費し、ついには家庭生活を破壊せしむる。 》
(なんとなく)わかる……。「書鬼」について。
《 これは恐怖小説だ。 》
《 愛書家宇宙の恐怖を、ほぼ完璧に表現した名作といってよい。 》
そういえば、『古本屋探偵登場』も元本『幻書辞典』三一書房1982年を改題したものだった。
一昨日の毎日新聞夕刊コラム「田中優子の江戸から見ると 日本語が世界語になる日」が印象に残っている。
《 まず、グローバリズムは1570年ごろに達成されていたこと、江戸時代はその現実への対応として出現した時代で あったこと、しかしながらその際限の無い征服と拡大という動きには乗らなかったこと、だからこそ国内の限られた 資源を循環的に使って最大限に技術革新と応用をおこなったこと、そこに「日本の方法」が確立されたことである。 》
《 今やどこの国も、征服と拡大がとっくに限界を迎え債務体質になっている。もしいま日本が江戸時代初期と同じように 方針の大転換を実現したら、日本は課題解決先進国として世界の注目を浴び、日本語は世界語になるだろう。 》
午前、ブックオフ沼津リコー通り店へ自転車で行く。文庫本を二冊。橋爪大三郎『世界がわかる宗教社会学入門』 ちくま文庫2006年初版、講談社文芸文庫・編『日本の童話 名作選 明治大正篇』講談社文芸文庫2005年初版、計216円。
その後友だちの家の前で四人と会い、車二台で裾野市水窪のカフェ草の実で昼食会。満足満足。
今夜は九時からNHKBSプレミアム『発見!体感!にっぽん水紀行「富士山からの贈りもの」』を視聴予定。 題名が以前と変わった。どんなかな。久しぶりに夜、テレビを見るか。しかし、BSを見られるんだろうか。
http://www4.nhk.or.jp/P2651/x/2016-10-14/10/574/1623465/
ネットの見聞。
《 経済学者・岩井克人、「23年後の貨幣論」を語る 》 WIRED
http://wired.jp/2016/10/12/katsuhito-iwai-interview/
ネットの拾いもの。
《 学生で賑やかなこの店の片隅で聞いていたボブ・ディランがノーベル文学賞とはガロもびっくりであろう。 》 大矢博子
https://twitter.com/ohyeah1101/status/786524016500539392
《 じゃあ代わりに今年のレコード大賞、村上春樹にあげようぜ 》 ゆりしーず
https://twitter.com/hms_ulysses/status/786523537045499904
《 こうなったら、来年のノーベル化学賞はケミカル・ブラザーズでいいんじゃないか 》 下井草秀
https://twitter.com/shimoigusashu/status/786529836894302208