『魔術的な急斜面』

 昨夜、メールに返送し、パソコンを切らずにいたら新潟知事選の結果速報の吉報が飛び込んできた。魔術的な急斜面。

 雨。午後の予定が明日に延期。ふっと空いた空白の他愛ない時を過ごす。

 紀田順一郎『魔術的な急斜面』東京創元社1991年初版を読んだ。探求古書の作家と作品名がおもしろい。39頁の菊村豊 『翡翠(ひすい)夫人』は菊池寛真珠夫人』。海後十七(かいごじゅうしち)『二十五時の音響浴』は海野十三 『十八時の音楽浴』。迷夢酔生(めいむすいせい)『銀髪童子』は夢野久作『白髪小僧』。河野梅太郎『鴇(とき)八 鴇次郎』は川口松太郎『鶴八鶴次郎』。普通の古本好きなら思い当たることだ。

《 さらに迷夢酔生は北九州出身の作家で、昭和中期に新聞記者生活をしながら精神病理学を題材にした千二百枚の大長編 ミステリ『堂巡目眩(どうめぐりめくらみ)』を発表したが、同時代においてはホームラン紛いの大ファウル程度にしか 理解されず、死後三十数年を経た戦後一九七○年代に、幻想作家として熱狂的な再評価をうけたという経緯がある。 》  40頁

 『堂巡目眩』は勿論『ドグラマグラ』。こういったお遊びが楽しい。

《 これらのうち、あるものはスタンダールや啄木のごとく、あるいは絵画の世界におけるゴッホのごとく、タイムラグによる 評価のズレということで説明ができる。彼らはもともと価値のある存在だったのだが、同時代にそれを見抜く眼が備わって いなかったのである。 》 98頁

 改題された『古書収集十番勝負』創元推理文庫2000年で読んでいるが、デパートの古書展でのすさまじい争奪戦にはやっぱり 笑った。筋はすっかり忘れていた。雨の午後にちょうどよい読書。我が家には書痴が押しかけるような本は……当然無い。

 ネットの見聞。

《 10月17日(月)〜10月29日(土)
  「夕暮れの少女」絵・味戸ケイコ/短歌・平岡淳子 》 ギャラリーハウス・マヤ
 http://www.gallery-h-maya.com/schedule/17479/

 味戸さんの在廊日:17、20、22、26、29日を予定。

《 味戸ケイコ展 〜いざない〜 10月20日(木)から24日(月)10:00〜17:00 期間中無休 》 ギャラリー・カサブランカ
 https://twitter.com/ga_casab/status/787629208063270912

《 過去のモノサシでははかれないことだから、自分が挑戦するだけの価値がある。 》 木下斉
 https://twitter.com/shoutengai/status/787654186200551424

《 耳を澄ませて声を「聴く」日本人 相手の口を注視する英米人との違い明らかに−視線や脳波からみた言語・文化の影響  》  日本の研究.COM
 https://research-er.jp/articles/view/51199

《 人気女性レスラーが編み出した、男のアソコを掴んでマットに叩きつける必殺技が爽快すぎる! 》 AoL.NEWS
 http://news.aol.jp/2016/10/15/ballsplex/

《 原発が全停止した日本、しかし炭素排出量は増加せず:米政府の調査結果 》 WIRED
 http://wired.jp/2016/09/14/japans-lurch-away/?utm_content=bufferf8177&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

 ネットの拾いもの。

《 豊洲原発作ろう 》

《 「更年期障害」ならぬ「幸年期生涯」の到来です。 》