「幼鳥がやってくる」

 昨夜、気になって昨日友だちが買ってきたインコのことを電話できいた。まだ幼鳥で、餌はお湯でふやかしていると。 そんなに小さくは見えなかったが。来たばかりの昼間は緊張してか餌を食べなかったけど、夕方には少し食べた、と。 一安心。それから日曜日に預けるから餌をやって、と。うへ、それは難しい。が、乗りかかった舟だ、やるしかない。 暖房器具を出さなくちゃ。それにしてもなあ、彼女より私のほうが泣いていた、というのはなあ。ま、そうですよ、 私は涙もろい。
 読み始めた小説の一文。

《 わたしは、もう一度うしろへ引き返して、過ぎ去った瞬間を、ふたたびとらえたいと思った。だが、すぐにわたしは、 よしんば引き返したところで、前と同じ経験を二度とつかまえることはできないだろうと思った。空の太陽でさえ、 位置が変わって、別な影を投げているだろう。 》

 無垢な小鳥だった。友だちの呼びかけには素直に応じるけど、私が呼んでも知らん顔。誰が大事かよくわかっている。 そうなのだ。チビの想い出は想い出としてしまっておこう。楽しい想い出なのだから涙ぐんではいけない。
 片想いばかりだったから、さよならだけが人生だ、を若いときから肝に銘じていた。しかし、勝手にこの世から さよならされるのは、つらい。

 昼過ぎまで待たされて、昨日のインコを友だちの家に見に行く。フリースの中に隠れている。掌に乗せると、小指に 足がしっかりついている。友だちがスマホに録音されていたチビの鳴き声を聞かせると、大きな声で反応。わかるんだ。 掌に乗せて餌を与えるとグイグイ食いつく。体をなぜると嬉しいそぶり。これなら安心して預かれる。
 生まれ変わりという観念は、悲嘆を和らげるために発案されたのだな、とつくづく思う。昨日知人の指示に従って すかさず新しいセキセイインコを連れてきて正解だった。帰りしな、チビのお墓に黙祷。

 ネットの見聞。

《 玲瓏叢書はあまり面白みがないしな…。荻原裕幸『青年霊歌』は欲しいけど。 》 藍川蘭
 https://twitter.com/ran_aikawa/status/790570340304814080

 照屋眞理子『夢の岸』1991年はいいぞ。玲瓏叢書、これしかもってないけど。

《 今日は古本を買わずに済んだ。神さま、これ以上、本を増やさないようにしていただけ、感謝いたします。 》  Genei-John
 https://twitter.com/noji2207/status/790544137254674432

 なぜ買ってしまうんだろう。そこに本があるからだ。きょうは古本を見なかったので買わなかった。

《 遅ればせながらEQ私的ベスト
  10位「ガラスの村」9位「悪魔の報復」8位「スペイン岬の謎」7位「顔」6位「クイーンの冒険(含、キ印そろいのお茶の会)」 5位「Yの悲劇」4位「フォックス家の殺人」3位「ギリシャ棺の謎」2位「オランダ靴の謎」1位「Xの悲劇」 》 猟奇の鉄人
   https://twitter.com/kashibaTIM/status/791087939480489984

 ネットの拾いもの。

《 最も短い私小説

   俺はこんなにダメだ。 》 山田正紀
 https://twitter.com/anaryusisu/status/791035899962208257