「人は何かを達成しようとするときには」

 村上春樹世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社1985年初版を少し読み進める。

《 それは僕の読みとり方に何かしら欠陥があるからかもしれない。あるいは、それは彼らのことばが長い年月のあいだに 擦り減り、風化してしまったせいかもしれない。またあるいは彼らの考える物語と僕の考える物語のあいだに決定的な 時間性やコンテクストの相違があるからかもしれない。 》 262-263頁

 物語であれ詩歌であれ、古典を読むときそんなことを思う。それは美術も同様。

《 「年をとるととりかえしのつかないものの数が増えてくるんだ」と私は言った。 》 272頁

 17歳の女の子に言うにしても、35歳でそれはないだろう。

《 彼らの肉体はその活動を停止し、彼らの意識は深い闇の中に吸いこまれてしまたのだ。」 》 289頁

 つづく文章にセキセイインコのチビを思い出し、滂沱。いかんいかん。

《 人は何かを達成しようとするときにはごく自然に三つのポイントを把握するものである。自分がこれまでにどれだけのことを なしとげたか?今自分がどのような位置に立っているか? これから先どれだけのことをすればいいか? ということだ。 》  314頁

 K美術館を建てるときはそうだった。そして今、新たな段階に入る源兵衛川について自分のなすべきこと、できること、 できないことを考えている。

《 「でも愛というものがなければ、世界は存在しないのと同じよ」と太った娘は言った。 》 332頁

 青臭い発言だが、そう思う。

 昼前、群馬県安中市からの視察75人を三人で手分けして源兵衛川などへ案内。三嶋大社で解散。無事終了。帰宅途中、源兵衛川 ひろせ橋で横浜からいらした年配の男女四人が三島梅花藻の花を見たいと言うので、川を下って雷井戸へ案内。ここは今も一面に 咲いている。喜ばれる。大通りまで戻り、三嶋大社向かう四人と別れる。ふう。

 ネットの見聞。

《 先日台湾が原発脱却を表明しましたが、ベトナム原発建設延期を表明。三菱重工など輸出を狙うメーカーに打撃。そもそも 現地の核燃料最終処分策がない問題や安全規制の問題にもかかわらず輸出しようとする日本政府と日本メーカーの姿勢は問題でした。  》 東京新聞けいざいデスク
 https://twitter.com/tokyokeizaibu/status/795471495527022593