『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

 村上春樹世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社1985年初版を昨夜読了。内容については多くの人が いろいろ書いているだろう。書いていた。屋上、屋を架すことはしたくない。気の利いた科白が続出。少しばかりを。

《 「あなたは今何かを求めているんじゃないかしら?」と彼女が訊ねた。
  「僕が? 君の他に?」 》 337頁

《 アイデンティティーとは何か? 一人ひとりの人間の過去の体験の記憶の集積によってもたらされた思考システムの独自性の ことです。 》 391頁

《 楽器があってもなくても、どちらでも同じことなのだ。どれだけ音を並べてみても、そこに唄がなければただの音の羅列に すぎないのだ。 》 481頁

《 絶望があり幻滅があり哀しみがあればこそ、そこに喜びが生まれるんだ。絶望のない至福なんてものはどこにもない 》  510頁

《 街の空は太陽を見失ったまま夕暮に向おうとしていた。 》 532頁

《 空はまるで鋭利な刃物で奥の方をえぐりとったように深くくっきりと晴れわたっている。 》 579頁

《 そこにはたしかに彼女の心があり、僕はそれを感じとることができるのだ。それ以上の何を求めることができるだろう? 》  584頁

《 空は深く、人が疑いをはさむことのできない確固とした観念のように明るく輝いていた。 》 603頁

 いやあ凄い小説を読んだわ。書きたいことは山ほどあるが、慎む。なぜなら必ず誰かが書いているはずだから。

 夢をみた。「ハードボイルド・ワンダーランド」に出てくるような男女と一緒にキャンピング・カーで、お祭りのN.Y.ような、 ディスカウント店ドン・キホーテの陳列のような街中をゆっくり移動する夢。小説の影響だろうか。ふう。

 午前の視察が午後に変更。時間がぽっかり空いたので、今朝の毎日新聞の「源兵衛川・世界かんがい施設遺産」記事をコピー。 近況報告を兼ねて喜んでくれそうな方々へ郵送。細かい用事をすませて、ホッ。ホット・コーヒーを味わう。

 午後、栃木県からの水利組合の人たち十五人ほどを、源兵衛川へ案内。ひろせ橋でクロネコの配達お姉さんからテレビ見ましたよ、 と言われる。見ているんだ。二十日の放送もご存知だった。午後三時前帰宅。ふう。疲れた。コーヒーを淹れる。夜になって回復。

 ネットの拾いもの。

《 発音に気をつけて
  trump=アメリカ大統領
  tramp=浮浪者、売春婦 》 岡口基一
 https://twitter.com/okaguchik/status/796378936787636225

《 手にしたトランプで神経衰弱が始まるのか 》 鯨統一郎
 https://twitter.com/kujira1016/status/796249158596182016