『述語的世界と制度』「第一章 序論」

 所有とは、そのモノが心に生きていることではないかな。昨日ふれたパート・ド・ヴェール、友だちから恵まれた細密画。 それらは机上にあって、座れば視野に入るモノ。またすぐに思い浮かぶ大切なモノ。そういうモノが真の所有物ではないかな。 こんなモノもあったんだ、というモノは所有の辺境。
 モノの所有には所有の喜びと所有の悩みの双面がある。一昨日の糸魚川市の大火のようなすべてが灰燼に帰す映像を見ると、 災害への対策をあらためて考えてしまう。火事の映像を見て、何をまず持ち出すか考えてしまった。両手に持てないモノは 諦めるしかない。味戸ケイコさんの原画は額装しても両手で軽く持てる大きさなのだけれど、数ある作品から何を第一に 運び出すかは決めてある。救出規準は私にとってすごく愛着のある絵。その絵は壁に掛けて鑑賞することは、今は殆どない。 私一代の愉楽とみなせば楽だが、後世に伝えるべき絵だとみとめているので、日焼け等を危惧する。それでも好きな時に 心ゆくまで鑑賞できることが所有の楽しみ。蔵書も同じ。図書館まで行くのは面倒。ならば自宅に私用の図書室を、だ。 本は美術品と違ってお値段が二桁ほど低い。インターネットで全国どこでも古本を注文できるなんて、昭和時代には夢にも 思わなかった。隔世の感。今読んでいる中村雄二郎『述語的世界と制度』。ネット情報がなければ知ることもなかった本だ。 すごい時代になった。

 昼前、源兵衛川上流部のヒメツルソバを探して抜く。探さないと見つからないほど少し。中には根が三十センチほどのも。 土が水を含んでいたため、簡単に抜けた。思えば数年前、駆除を思い立って始めた一シーズンで土のう袋九十袋ほどに。まあ、 気長に抜いていけばいつか無くなるだろうと数年かかった。ここまで来たかと感慨が湧く。昼食後、日大某女性教授から 贈られた洋菓子(チーズケーキ)を賞味。美味しい。考えれば、クリぼっちの私への最高の贈り物だ。

 午後近所のスーパーで食料買い出し。北海道産の南瓜をカゴへ。この前メキシコ産しかなくて調理したけど、コクがない。 顔見知りのレジ係の女性から「メリー・クリスマス」と声をかけられた。「ぼっちクリスマスです」と応えたら 「私も似たようなもの」。これでは進展させようがない(何を言っとるか)。

 中村雄二郎『述語的世界と制度』岩波書店1998年初版、「第一章 序論」を読了。内容がとてつもなく深く広いので 消化不良を起こさぬよう数ページ読んでは再び読む。それで文字面は読めても内容はどこまで把握できたか。いや、 できなかったか。でもワクワク。とりあえずメモ。

《 形式論理学は主語的な同一性に基礎をおく主語的論理であり、述語的な同一性にもとづく推論は、これまで論理として まったく成り立たないものと見なされてきた。 》 37頁

 そうだったのかあ。うれしい指摘だ。

《 この述語的同一性による思考は、主語的同一性にもとづく通常の論理によって統一されている現実を問いなおし、 惰性的に統一された総体に亀裂を与え、それをばらばらに分解する力を持っている。 》 40頁

《 そして私が述語的世界というとき、それはなによりも、この世のさまざまな拘束、束縛、約束事、制度、法則などによって 支配されず、そこから解き放たれた世界、カオス的でもあれば欲動的でもあり、無意識的でもあるような世界を指している。 》  40頁

《 したがって、西田(幾多郎)のいう無の場所を私流に捉えなおせば、次のようになるだろう。すなわちそれは、まず第一に、 物理的なレヴェルでいえば、振動の生成し消滅する場であり、第二に、存在論的なレヴェルでいえば、生と死のせめぎ合いの うちに存在がその原初的な姿をあらわす場所である。そして第三に、言述のレヴェルでいえば、主語的同一性の拘束から 解き放たれた述語的世界である、と。 》 50-51頁

《 このような場所的自己限定の持つ陥穽を免れるために、先に私は〈制度論的思考〉導入の必要を説いた。この制度論的思考 というのは、いま述べている文脈でいえば、場所を他者によっていわば外部から限定する、あるいは内部にある自己を外部から 捉えなおす仕方であることになる。 》 52頁

《 結論として私が到達したのは、語のレヴェルでの換喩と隠喩の比喩としての自律性をそのまま認めた上で、両者を媒介する 第三項として提喩を置くことであった。 》 57頁

《 しかも、部分と全体の包含関係にもとづく提喩は、比喩全体のなかでは換喩や隠喩よりは目立たないが、われわれ人間の 言語活動のうちで基礎的な働きを担っている。 》 57頁

《 さて、この深層の現実と表層の現実、内的な現実と社会的な現実との相互反転は、さらにすすんでは、隠喩的なものの換喩化、 および換喩的なものの隠喩化としてとらえることができる。 》 60頁

 ネットの見聞。

《 あと、梶谷さんが言ってた点だが、現象学は事象そのものへ!に還って記述するところから始めると言うが、 事象それ自体が歴史性(や権力性)によって構築されてる点を我々はきちんと相対化できてないといけない(大意) というのはそのとおりだと思った。 》 森岡正博
 https://twitter.com/Sukuitohananika/status/812290146993205248

《 天皇の「おことば」について 》 内田樹
 http://blog.tatsuru.com/2016/12/23_1029.php

《 真珠湾訪問、過去に3首相 51年吉田氏、56年鳩山一氏、57年岸氏 ハワイ報知社報道 》静岡新聞
 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6225149

《 年末、安倍首相の真珠湾訪問。大手マスコミは現役首相初と大々的に報道。だが吉田首相だけでなく、鳩山首相と岸首相も 真珠湾を訪問。鳩山、岸両首相とも『礼砲の歓迎』と『儀仗兵の閲兵』あり、公式訪問。今大々的誤報は報道機関の隷属象徴。 》  孫崎 享
 https://twitter.com/magosaki_ukeru/status/812421225196572672

《 海兵隊の「戦略ビジョン2025」。改めてですが、嘉手納以南の返還によって、海兵隊は「新しく、最新式の、 効率的な施設によって恩恵を被る」と書かれていて、なにも「不便をしのんで沖縄のために返します」ということではない、 という現実を。 》 谷津憲郎
 https://twitter.com/yatsu_n/status/811809283805282304

《 いろいろイロハな皆様へ 》 河野太郎
 http://www.taro.org/2016/12/%e3%81%84%e3%82%8d%e3%81%84%e3%82%8d%e3%82%a4%e3%83%ad%e3%83%8f%e3%81%aa%e7%9a%86%e6%a7%98%e3%81%b8.php

《 松毛川(灰塚川)千年の森づくり(2016年12月9日・10日)  》 グラウンドワーク三島
 https://www.youtube.com/watch?v=kUxzO-kv7UE

《 最低のクリスマス、本当に寂しい理由は…「涙を誘う猫マンガ」の聖夜 》 withnews
 http://withnews.jp/article/f0161224002qq000000000000000W04i10401qq000014464A?utm_content=buffera9bd8&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

 ネットの拾いもの。

《 安倍の口癖「丁寧な説明」
  安倍の手口「白を切れ!」 》

《 コンドームのレビューで小一時間笑ってる 》 FV5150Potato[FOE]
 https://twitter.com/FV5150Potato/status/811154867330781184

《 最後尾ってプレートが置いてあるお店に誰も並んでなかったよ #クリスマスの風景 》 鯨統一郎
 https://twitter.com/kujira1016/status/812532933307211776

《 来年こそはきれいに片付いた部屋で生活できるように頑張ろう。 》