『三題噺』

 加藤周一『三題噺』ちくま文庫2010年初版を読んだ。三短篇を収録。下記の一節に心が動いた。

《 私が詩仙堂の庭を歩くのは、これがはじめてではない。その季節は必ずしも春ではなかった。 しかし私はいつもそこに一種の春の和らぎ、あたたかく寛いだもの、身近く親しみのある何ものかを感じた。 奇異ならず、雄大ならず、情に溺れず、しかし厳しからず、おのずから春の温みの、さりげなくして、しかも確実に、 紛う方なくみちあふれてくる結構は、けだし効果をもとめて得られる効果ではあるまい。どういう人間が、 あるいはむしろどういう精神が、これをつくったのであろうか。 》 「詩仙堂志」13頁

 この評言は、きょうまで沼津市芹沢光治良記念館で催されている「牧村慶子 絵本原画展〜春の光の中へ〜」にそのまま 当てはまる。

 つづく「狂雲森春雨」は一休の盲目の愛人の独白体。

《 たしかにわが身をわが身にするもの、このぼうぼうと限りのない見しらぬもののあふれた世界にこの身だけを今ここに あらしめるものは、ぎゅーっとつかむ人の手のほかになにがあろうか。 》 73頁

 だよなあ。ネット世界は視覚だけが突出している。触覚がない。映像サイトを散策。有名な歌を若手歌手が歌っている。 カワイイけど声が浅い。これではなあ。お気に入りに入れるものはまったく少ない。

 三作目は「仲基後話」。『翁の文』『出定後語』の二つの著作で知られる(私は知らない)江戸時代の富永仲基。 霊媒を介して、記者が富永仲基の霊と問答をする。「あとがき」から。

《 この本は短篇小説集ではない。三つの話はそれぞれ独立しているようにみえるけれども、実は互に相補って、一巻を 成すものである。すなわち三題噺。 》

《 このように徹底した三つの人生、──日常的・官能的・知的人生は、それ自身を目的として自立することのできる立場に 支えられ、一つの立場を他の立場に包み込むこと、または還元することができない。 》

《 私は今いわゆる「知的雰囲気」に全く興味を覚えない。しかし知的冒険を空想することに、興味を覚える。私は その空想の内容を小噺にしたら、さぞおもしろかろうと久しく考えていたのである。 》

 埴谷雄高の長編『死霊』や短編集『闇のなかの黒い馬』を連想。

 ネットの見聞。

《 ヤマを横切る白雲のように人には分からないように私に笑いかけて 》 MAKKENZ x arai tasuku
 https://www.youtube.com/watch?v=RiXO4TyvcQ4

 なかなかいい映像、音楽だ。

《 照恩寺 テクノ法要 2016/10/25 》
 https://www.youtube.com/watch?v=8dmPCC5EYTQ

 仏教界も時代に合わせる、か。

《 【真実を報道するジャーナリスト:おしどり・マコの活躍】ドイツ放送局に遅れること3年、 ようやく日本テレビ系で放送されることに・・・ 》 お役立ち情報の杜(もり)
 http://useful-info.com/oshidorimako-to-be-broadcast-on-nnn

《 改ざんに計上ミス…揺らぐ政府統計 》 日本経済新聞
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H38_X20C17A1000000/

《 トランプが入国を禁止した国の国民は、米国人をテロで殺害した事はない。9/11を含むテロで数千人の米国人を殺した テロリストの出身国はサウジアラビアアラブ首長国連邦、トルコ、エジプト。でもこれらの国は禁止リストから除外。 理由?トランプが投資してる国だから。 》 めけめけ
 https://twitter.com/mequemequeJ/status/825353517791588353

 ネットの拾いもの。

《 公約を守る大統領を持つのは、色々と大変なことなのだな。 》 総統
 https://twitter.com/soutou_d/status/825464740071743494