かたちと光彩

 1990年代、京都書院から刊行された全百巻の『陶』シリーズ、第九巻は『北一明』に当てられている。
 http://www.miyaobi.com/kyotoshoin/tou.html
 市立図書館でその百巻を全部開いて見た。北一明の特異性、独自性、独創性を実感した。デスマスク類は未だに 判断を保留するところがあるが、実用に供する茶碗類の、旧に新を加える手腕には舌を巻いた。茶碗というかたちに それまでにない美を表現したのが、北一明の作品だ、と表明してきたが、最近ちょっと違う見方をするようになった。
 彼は茶碗の曲面という特性を極限まで活かす光彩表現を釉薬によって生み出した。曲面に耀う光彩は、かたちと 渾然一体となっている。このかたちにはこの釉薬しかない、と頷かせる説得力が漲る。不即不離ではなく渾然一体。 なんと高度な統一体だろう。美は危うきに遊ぶ、は渾然一体となった茶碗を手にした鑑賞者が抱く感嘆。すなわち、 主客転倒。茶碗からにわかに出現する小宇宙にわれを忘れて浮遊、にはっと気がつく。銀河宇宙の目眩く深奥……眩暈。 「北耀変」「北油滴」茶碗の無類の魅力。無比の品格。
 それらを凌駕する茶碗を『陶』全百巻で探索したが、匹敵する作品さえ出合わなかった。北一明は破格の陶芸術家だ。 陶芸の極限を一気に拡大したゆえ、序列の混乱を恐れる業界から黙殺されているのも当然か。
 http://web.thn.jp/kbi/kitaron.htm

 友だちから沼津駅に隣接するビルのフリーマーケットに誘われるが、見送る。出かける気力が出ない。朝は晴れ。 昼前には雨。中原中也の詩『幻想』の数行が浮かぶ。

《  雨降れ、
   瓜の肌には冷たかろ。
   空が曇って町曇り、
   歴史が逆転はじめるだろ。  》
 http://nakahara.air-nifty.com/blog/2012/04/post-634b-1.html

 ネットの見聞。

《 描くこととは恐ろしいことだ、と思う。描くことの中には「魔」が潜んでいる。 》 大野佐紀子 「絵を描く人々 第10回 描くことの光と闇」
  http://sniper.jp/008sniper/008423they_are_drawing_a_pictu/_10_1.html

《 裁判所がおかしな判決を連発する本当の理由 》 瀬木比呂志
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170204-00010000-videonewsv-soci&pos=4

《 安倍晋三「経済面でも日米がウィンウィンの関係を構築できるように話し合っていきます」

  トランプ(自伝より)「多くの人が素晴らしい取引とはウィン・ウィンの結果だ、というのを聞いたことがあるだろう。 クソくらえだ。素晴らしい取引とは勝つことだ。私は取引で完璧に勝つことが好きだ」 》 名もなき投資家
 https://twitter.com/value_investors/status/827750720807989248

 ネットの拾いもの。

《 第三次世界大戦で今年33歳になる人々だけが生き残る物語。ディストピア三段重ね!
  「われら1984年生まれのすばらしい新世界」 》 猟奇の鉄人
 https://twitter.com/kashibaTIM/status/827686932071084033

《 ばあさん:アメリカのために年金まで差し出すいうてるんやから、そりゃ厚遇されるわな。
  じいさん:安倍首相はたかりやすい世界最高の相手や思うてるわ。 》

《 日本「アメリカで70万人雇用、50兆円市場を創出するよ」
  海外「見返りは何なんだ?」 》

《 【節分】「福は内、アベは外」 》