「炎の主導権を握る」

 北一明『焼きもの新入門 炎の造形』海山堂1985年初版を再読。

《 ここで一番重要なことは、自分の美的基準を最高水準のものによって原点にすえようとする努力です。 》 12頁

《 今日、現代という微視的な目と、歴史的にみるという巨視的な目との美的両眼によって、過去とか伝統を一度 洗い直してみるということ、それが、焼きものをとおして私が創りだそうと苦労してきましたすべてであるわけです。 》  12頁

《 自分のものを焼くということは独創であり、独創ということは変革であり、改良とは明確に一線を画します。 》 15頁

《 ものを創るということは、最終的には自分が裸になって素直に自分を表現することです。 》 15頁

《 今日の目で客観的に焼きものの美しさというものを考えた場合に、侘び寂びの系譜からくる美しさは、閉ざされた美意識 といってよいのではないでしょうか。 》 20頁

《 茶道と焼きもの発達史と表裏一体という事実は、同時に、焼きものの価値観の二重構造を生んでいる原因ともなっています。 つまり、焼きものの美的価値という純粋な焼きものの評価の側面と、茶道の道具としての、いわば侘び茶としての道具の使用価値の 側面という二重構造をもっているのが現実です。 》 20頁

《 焼きものの重要なポイントは、炎の主導権を握るということです。 》 43頁

《 焼きものが、頭脳労働によって支えられたとき、焼きもの界そのものが、あらゆる価値観、思考行動様式において意識変革 されることでしょう。そうなりますと、美術芸術の流れの中で焼きものの評価存在が、必ず見直されるにちがいないのです。ただし、 今までのように使用価値のみにウェイトがしぼられた場合はこのかぎりではありません。 》 50頁

 以前にも紹介したが、地元飯田市の同級生にしてこの程度の認識。
《 北一明こと下平昭一君の著書と資料 》 吉澤健
 http://www.minamishinshu.co.jp/center/series/023.PDF

 良い天気なので北一明の盃と茶入れを日の当たる畳の上に置いて鑑賞。論じるだけではなく、作品で実証したから北一明はすごい。 それにしても、骨のある陶芸評論家はいないのか。北一明への反論、批判を読みたい。

 ネット、いろいろ。

《 財務省さん、億単位の取引の記録破棄していいなら、確定申告のわずかな金額のレシートなんて保管する必要ないですよね? (-_-メ) 》

  森友学園財務省、土地交渉「記録を廃棄」 》 ichiro_green
 https://twitter.com/ichiro_green/status/835150893737627648

《 「経産省」と打つだけで「無能」って出る…。 》 古書現世
 https://twitter.com/wamezo/status/835154447944671233