『日本文化における時間と空間』ニ

 加藤周一『日本文化における時間と空間』岩波書店2016年19刷を読み進める。

《    うれひつつ丘にのぼれば花茨
  では、丘へのぼるという行動の持続性が前提とされる。その時間の持続は、感覚ではなく感情の表現、「いれひつつ」 の成り立つ条件に他ならない。「花茨」は、夏の季語、ドイツ語で Heidenroslein (野ばら)というものだろうが、蕪村では 「古郷の路」を連想させるものでもあった(「花茨古郷の路に似たるかな」)。花茨との出会いは現在である。それが喚起 するのは古郷の過去である。この一句は、たとえば「人はいさ心もしらず」の一首が歌った現在の感情と過去の回想との 微妙な照応を、明示的にではなく、しかし鮮やかに、表現しているといえるだろう。 》 77頁

 安東次男の評釈を想起。

《   愁ひつゝ岡にのぼれば花茨

  もあるから、水の有無をそれほど意識していたかどうかわからないといえばそれまでだが、「愁ひつゝ」の句の「岡」を 「土手」とか「堤」といったのでは、句になるまい。(略)「愁ひつゝ」の句の「岡」も、川添いの岡つまり堤と考えて むしろ自然であろう。 》 『与謝蕪村筑摩書房1970年初版、136頁

 安東次男の評釈は、この本の帯文でうまく言い表されている。

《 発想契機を中国古典詩や画材の変遷にさぐり、創作心理にまで届く創造的な鑑賞。 》

  中国古典詩に発想の契機をさぐる手際には振り回された。加藤周一のほうに親しみを感じる。

 昼前、源兵衛川の月例清掃へ。
 昼前〜午後、グラウンドワーク三島の書類の整理のお手伝い。書類の整理は苦手だが、慣れてきたところで終了。

 ネット、いろいろ。

《 東日本大震災追悼式、安倍総理「福島においても順次避難指示の解除が行われるなど、復興は新たな段階に入りつつあることを 感じます」秋篠宮様「避難生活が長期化する中…放射線量が高いことによって、いまだ帰還の見通しが立っていない地域の人々の 持ちを思うと深く心が痛みます」違う被災地か。 》 The Gube
 https://twitter.com/chiharu_shiga/status/840484355604586496

《 「空き家大国ニッポン」のゾッとする近未来〜首都圏でさえこの惨状… 》 藻谷 浩介,野澤 千絵
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51118

《 逆SEO対策の闇は深い  》 日毎に敵と懶惰に戦う
 http://zaikabou.hatenablog.com/entry/20170310/1489125072?utm_content=bufferab622&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

《 その間に、私はいつの間にか人に恋するのではなく、人を愛するようになっていた。 》 エロチカ・バンブー
 http://www.designstoriesinc.com/panorama/erotica_bamboo2/

《 小説なんて20年くらい寝かして本来の味が出るのかもしれませんよ。 》 北野勇作
 https://twitter.com/yuusakukitano/status/836345525104357376

《 花粉症の季節は面白い展示禁止してくれたら、どの党でも投票するぞ 》 高橋けんじ
 https://twitter.com/Q47SM9/status/840374491511369728