『日本文化における時間と空間』五

 加藤周一『日本文化における時間と空間』岩波書店2016年19刷、「第3部 「今=ここ」の文化」を読んだ。これで読了。 『日本文学史序説』が扇の扇面とすれば、『日本文化における時間と空間』は扇の要だろう。

《 この本は日本の思想史について私の考えてきたことの要約である。 》 「あとがき」264頁

《 「ここ」は伸縮し、重層する。家族から国家まで、「ジェンダー」から世代まで、一人の人間は多くの異なる集団に 属するが、それぞれの集団の領域を「ここ」として意識する。「ここ」から世界の全体を見るのであって、世界秩序の全体から その一部分=日本=「ここ」を見るのではない。その構造、すなわち部分が全体に先行するものの見方は、敗戦と占領後の ニ○世紀後半に変ったろうか。例を日本国の対外的態度にとれば、根本的に変ったようにはみえない。 》 236頁

《 雪舟芭蕉が偉大なのは、彼らが日本の「自然」を発見したからである。発見するためには京都や江戸の旅の、閉じた 文化圏の枠を破ってそこから脱出する必要があった。(略)彼らは旅に一時の安らぎと楽しみを見出したのではなく、 自然とともに「この一すじの道」、すなわち新しい芸術の創造力を見つけたのである。 》 248頁

《 少なくとも絵画に関するかぎり、鎖国は文化の国際化を、開国は文化の地域的閉鎖性を、喚起したようにみえる。 なぜだろうか。けだし芸術的創造性は、自国──あるいは古郷──の文化があたえる条件の特殊性を徹底的に追求した極限 において、芸術の普遍性へ向ってつき抜ける(のり越える)運動であってのみ成立するものだからであろう。 》 252頁

 上記引用から味戸ケイコさんの絵を思う。文化が与える条件の特殊性を徹底的に追求した極限。ご本人は自覚していなかった だろうが、昭和四十年代を十分すぎるほど生きていたからこその鉛筆画、だと思う。同時代の宇野亜喜良つげ義春らとはまた 違った生きる現場。その現場で必死に生きていた。

 昨夜は雨。周囲の山並みはまだらな雪模様。日差しは春。季節は移ってゆく。それにしても春の天気は移ろいやすい。午後三時を 過ぎて小雨。これから出かけるのに、自転車を使えない。徒歩かあ。
 今月になって体調を崩し、今だに快復途上。手の甲の張りはいつ戻るのだろう。じっと手を見る。春愁という言葉が浮かぶ。 それにしても、固定電話にかかってくる内容は結婚どうですか。固定電話、なくてもいいなあ。時代は変わる。

 ネット、いろいろ。

《 生きていると色々なことがあるが、私は今日、とても幸福である。 》 古本屋ツアー・イン・ジャパン
 http://furuhonya-tour.seesaa.net/article/447911427.html

《 「Nanoptuian」とかいう有機化合物、ほんと人間みたいな形してるし楽しそうだしなんかもう好き 》 卍オメガ卍
 https://twitter.com/HP40298/status/841184774492377088/photo/1

《 「本人が無関係と否定してるのになぜ書くのか。〇〇さんに失礼だ!」みたいなメディア批判を最近よく見るんだけど (さっきも見た)、本人の弁の裏が取れない・事実に反する・虚偽の可能性が高いから書くんですよ。当たり前じゃないですか。 「本人が言ってる」というだけで信じられるのを信者と言うの。 》 松本創
 https://twitter.com/MatsumotohaJimu/status/841797443251396608

《 そういえば,加計学園の監事って,最高裁判所判事になったよね。 昨年7月 》 岡口基一
 https://twitter.com/okaguchik/status/841256849961754624

《 2016.7.1更新 最高裁判所判事に木澤克之監事の就任が決定
  このたび、学園の監事であられた木澤克之氏が6月17日に行われた政府閣議において、7月19日付で最高裁判所判事に 任命されることが決定しました
  学園としても大変名誉なことであり、心よりお祝い申し上げます  》 加計学園
 http://www.kake.ac.jp/

《 「インフルエンザで『熱が下がっても5日間は外出しないように』とお医者さんに言われたので、外出せず家に 人を呼んで仕事した」という話があって、患者さんへの説明は正確に、理由もわかるよう行うべきだと再認識した。 》  なとろむ
 https://twitter.com/NATROM/status/841565470448742401

《 円周率
  3.141592653589793238462643383279502884197...の覚え方として「産医師異国に向う産後厄無く産婦御社に 虫さんざん闇に鳴く後礼には早よ行くな」というのは小学校の頃に何かで覚えたが、実際に役に立ったことは一度もないね。 》  竹本健治
 https://twitter.com/takemootoo/status/841538447143657472

《 体に悪い日本語 》 片岡義男.COM
 https://kataokayoshio.com/essay/170313_karadaniwarui

《 小倉生まれで限界総立ち 》 いかふえ
 https://twitter.com/ikafue/status/840973240650543104