『グロテスク』 

 桐野夏生『グロテスク』文藝春秋2003年初版を読んだ。怪物的な美貌の妹への羨望と屈辱感が嫌悪と嫉妬へ反転、異常に肥大(グロテスク)した悪意と蔑視を、姉は赤裸々に 語る。そして妹ら関係者たちのやはり赤裸々な告白。まさしくグロテスク。いささか疲れるけど読んでしまう。

《 わたしを取り巻く世界が意地悪だからこそ、わたしはさらに意地悪を磨き、傷付けられる前に傷付けて相手をへこませて やろうと努力してきたというのに。 》 362頁下段

《 皆様、この長く退屈な物語も、そろそろ終わりに近付いております。わたしもまとめに入っておりますので、もしばらくの ご辛抱を。 》 523頁上段

 よくわからん、が読後感。描き過ぎなのかも。読了してやれやれという気分。

 朝家を出ると、歩道に女性二人がみしまっぷ(旧市街の観光案内地図)を手に迷っている様子。「どうかしました」と声をかけ、 地図を見ると英語版。水の苑緑地を指す。あの車の右を進み、川(源兵衛川)の上を行く。十分ほど、とカタコト英語で話す。 通じて喜ばれる。カタコトでも通じればヨシ。
 昼過ぎ友だちの車に同乗、沼津市庄司美術館の白砂勝敏展へ。私の所有する大きい作品と新作の小さい作品の交換を申し出る。 快諾される。その作品「水の記憶」は、白砂さんがまだ所持しているべきだと思った。
 http://ameblo.jp/steampunk-powerstone-art/entry-12261473068.html

 ネット、いろいろ。

《 <訃報>大岡信さん死去、86歳 詩人「折々のうた」  》 毎日新聞
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170405-00000061-mai-soci