憲法記念日 『月に吠える』

 萩原朔太郎『月に吠える』。1917年2月の刊行から百年。十代後半、何故か彼の詩に惹かれた。おそらく彼の孤独、孤愁が 琴線に触れたのだろう。当時鬱病気味だった自分にはじつに身近な詩情だった。序から。

《 私の詩の読者にのぞむところは、詩の表面に表はれた概念や「ことがら」ではなくして、内部の核心である感情そのものに 感触してもらひたいことである。私の心の「かなしみ」「よろこび」「さびしみ」「おそれ」その他言葉や文章では言ひ現はしがたい 複雑した特種の感情を、私は自分の詩のリズムによって表現する。併(しか)しリズムは説明ではない。リズムは以心伝心である。 そのリズムを無言で感知することの出来る人とのみ、私は手をとつて語り合ふことがであきる。 》

 おお、リズム。百年前に既にリズムに萩原朔太郎は注目し、重視していた。慧眼だ。それにしても結構長い序文だ。これだけ 書かないと、同時代の読者にはしっかり理解されないと恐れたのかも。多分。そうなのだろう。

《 私どもは時々、不具な子供のやうないぢらしい心で、部屋の暗い片隅にすすり泣きをする。さういふ時、ぴったりと肩に より添ひながら、ふるへる自分の心臓の上に、やさしい手をおいてくれる乙女がある。その看護婦の乙女が詩である。 》

 一昨日吐露した「慰謝、慰撫」に通じる。序の結び。

《 私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘づけにしてしまひたい。影が、永久に私のあとを追つて来ないやうに。 》

 私は影からの脱出、解放を、友だちの教導によって遂げた。かけがえのない友だちに感謝。誠に出会いは不思議なるかな。

 ネット、いろいろ。

《 <告知> 第45回 朔太郎忌 どこがヤバイの?朔太郎  》 萩原朔太郎研究会
 http://blog.livedoor.jp/sakutaro_society/archives/1065228862.html

《 中井英夫『幻想博物館』建石版の帯付がほしい。なかなか無い。 》 藍川蘭
 https://twitter.com/ran_aikawa/status/859052739497570304

 手元の旧版は帯がない。上記新装版は帯付。新装版を持っていないと聞いた中井英夫氏は、為書きをして手渡された。お宝だ。 私の死後どこへ漂着するのだろう。さらば青春。

《 その人が生きてきた人生、学んできた学問、囲まれてきた家族、付き合ってきた人々……それらの要因すべてが複雑に絡み合って、 人の意見というものを形成する。でも、人の意見を最も大きく左右するものは何かというと、それは気分なのです。 》 道尾秀介
 https://twitter.com/michioshusuke/status/859243086622236672

《 いま書いている論文はたぶん4万字くらいになりそう。原稿用紙で100枚だ。でも書き上げて発表したあとで、きっと自己解体されて 次のステップの肥料となっていくのだよ。そういう予感がありありとするものが実は価値があるものになるのである。 》 森岡正博
 https://twitter.com/Sukuitohananika/status/859347370324013056

《 ミケランジェロの「隠し部屋」に潜入、写真17点 》 NATIONAL GEOGRAPHIC
 http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/042800080/

《 憲法改悪のことを憲法改正と呼ぶな。 》 エリック ・C
 https://twitter.com/x__ok/status/859588892462170113

《 本当の意味で「戦後レジーム」を終わらせるのであれば、憲法よりも「占領の残滓」たる不平等な日米地位協定を先に変えるべき。 それをしないで「自主憲法制定」と言っても、まったく説得力がない。 》 布施祐仁
 https://twitter.com/yujinfuse/status/859245678832214018

《 SFショートショート

  今、閣議にて、そもそも、の意味に「基本的に」の1項を辞書に加えること、および、云々、の読みに、でんでん、を加えることを 閣議決定いたしました。各関係省庁への周知徹底をよろしくお願いします。

  2020年12月 国会ニュースより 》 山田正紀
 https://twitter.com/anaryusisu/status/858878986826301440

《 先生から薬と生活上の諸注意をもらって一安心(異常なのは頭脳だけだとわかった) 》

《 そろそろ旅立ちです。行き先の天気予報最悪だけど、日焼けしないで済むと思えば…(滂沱) 》

《 猫に交番 》