『勘の研究』五

 黒田亮(りょう)『勘の研究』講談社学術文庫1980年初版を読了。

《 問題の中心は常に先端に置かれがちなものである。芸道や禅の真精神が時代の流れに置き去りにされた理由もけだしそこにあろう。 けれども一面に時代の先端を行く者は必ずいつか行き詰る。この行き詰りを展開するものはむしろ中心から遠ざかった者である。ちょうど 覚はそういったような方面を持っている。 》 308-309頁

《 覚に向かっての回心の第一歩は、採択された当面の問題に没入することであり、没入の進展につれて忘(ぼう)の状態がしだいに 擡頭し、その極(きょく)無心無感の絶対境を現ずる。この絶対境はしかしながら同時に万物の奥底に徹する自在無礙(むげ)の心である。 回心はここにいたって最後の完結を告げる。 》 334頁

 予想外に明朗簡明な文章だった。中島智『文化のなかの野生』を読まねば多分、本棚に店晒しのままだったろう。本は買っておくものだと つくづく思う。

 ネット、いろいろ。

《 ここで急いで補足すると、ハラリがいう「ヒューマニズム」は、まずは「人間第一主義」と捉えておけばよい。 神託ではなく人間の意志が権威であり意思決定の中心である点で、ヒューマニズムは、19世紀以降登場した各種の社会思想、 すなわち社会主義共産主義、あるいはナチズムまでも含む。ハラリの見たところ、最も成功したヒューマニズムリベラリズムであり、 リベラリズムの4点セット──個人主義、人権、民主政、自由市場──が20世紀中盤以降の社会の形成に大きく寄与したと考えている。 そして、このパッケージに綻びが生じつつあるのが21世紀の現代であると見ているのだ。 》 池田純一 Wired Book Review 「ユヴァル・ノア・ハラリ『Homo Deus』」
 http://wired.jp/series/wired-book-review/05_homo-deus/

《 知性を考量する基準の一つは「時代をどこまで遡って、いまの現実と関連づけられるか」のようです。 》 内田樹
 https://twitter.com/levinassien/status/880948674573893632

《 若い学生たちの “吸収力” は、常にアウトプットによって発揮される。時折「まだアウトプットできるほどの蓄積が足りないですから」 といった誤認識をもつ学生がいるが、何事も吐き出さなければ吸収することはできないのである。だから「何かを学びたければ、 まずアウトプットせよ」と助言している。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/880760005535744001

《 患者起点で、医療費助成対象となる指定難病へ申請できる仕組みの整備へ―指定難病検討委員会 》 メディ・ウォッチ
 http://www.medwatch.jp/?p=14456

《 イロハのイが分かっていない 》 日本経済新聞「社説」
 http://www.nikkei.com/article/DGXKZO18303840Q7A630C1EA1000/

《 声に出して読みたい「国会珍問答」 》 文春オンライン
 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170630-00003114-bunshun-pol&p=1

《 某女から「今日、ヒマ?」とLINE。
  「ヒマ」と返信すると「じゃ、お茶しよう」。
  「いや、ヒマしてたいんで。きみと会うと楽しいけど、楽しむよりヒマしてたいんだよね」。
  相手を傷つけず方便的な嘘もついていない、完璧な受け答え、と自画自賛しているのだが、その後返信がない。 》 M
 https://twitter.com/freakscafe/status/880596598366941184

《 小麦粉に住むダニが話題になったが、おからに住むダニもいる。くれぐれもオカラダニ気をつけて。 》 いかふえ
 https://twitter.com/ikafue/status/880709660755546112

《 てりてりお 『ゆきにょ書きます!』白泉社2017年6月29日
  テリ・テリー『スレーテッド3 砕かれた塔』祥伝社2017年6月21日 》