『布で花をつくる』

 山上るい『布で花をつくる』暮らしの手帖社1985年3刷をパラパラとめくっていたら、「夢の花」をつくる項目に目が止まった。

《 ある晩、この花の夢を見たのです。エンジの濃いような、ピンクのくすんだような花びらが、花の芯をつつむように咲いています。 この夢の花を作ってみようと思いました。(中略)細かく流れるように入った花びらの〈しわづけ〉が、この花の生命です。 》 131頁

 まことに細やかに丁寧に作られた花ばな。それだけではない。伸びていく生命感をも感じさせる。実物を見たかった。「あとがき」から。

《 一枚の白い布が一輪の花に変ってゆくこの小さいドラマを、わたくしは、大切にして今日まで生きて参りました。 》

《 こんなこともありました。
  わたくしが、わけもなく、パリで布花の展覧会を開いてみたいと思って、その頃、まだお元気でこわかった、編集長の花森安治先生に ご相談したところ。
  「あなたは、そのままで、力一杯がんばっていきなさい、パリなどべつに意識しないで、あなたとあなたの花もそのままで行って きなさい、花がじゅうぶん物を言ってくれる……」
  と、不思議だけれど、とても心強いおはげましを受けて、なつかしく大切に思い出されます。 》

《 十分の時間と、手間と、そして何よりも心をかけていただいた、この幸せな本が、読者のみなさまのお役に立つように、と、 心から祈っております。
   昭和五十九年六月一日 》

 布花は山上るいの造語のようだ。近所のオバサマが山上るいの教室へ通っていた。そのオバサマも夫も亡くなり、あの花々は多分もうない。
 叔母が日本人形を趣味で制作していた。先だって従姉妹が来訪して、二体の人形を見て懐かしがっていた。今はもう布も入手できないと。
 何年か前、もう紙も板も昔のようないいものはないと、伝統木版画の摺師の人から聞いた。

 午前十時すぎ、西からパトカーがサイレンを鳴らして通り過ぎ、少しして止まった。東百メートルほどに停車。その後パトカー二台、 覆面パトカー二台が賑やかに到着。計六台。なんじゃあ? 野次馬はろくにいないので、ま、大したことはないだろう。この蒸し暑さ。 午前十時で27.2度、湿度78%。 わざわざ外出する気が起きない。わ、明日午後視察だ。
 午後、31度を超えているのに自転車で走りたくなり、ブックオフ函南店へ。前田愛『文学の街』小学館ライブラリー1991年初版帯付、 立川談四楼『ファイティング寿限無ちくま文庫2005年初版、マイクル・コナリー『証言拒否(上・下)』講談社文庫2016年初版、計432円。 腰に汗をにじませながら気分良く帰宅。

 ネット、いろいろ。

《 Nager, c'est bien, nager avec un canard, c'est mieux ! 》 ルーヴル美術館
 https://twitter.com/MuseeLouvre/status/877172567349628928
 アヒルと一緒に上手に泳ぐエジプトの女性。やだ、これ、すてき。

《 俺毎日8時間寝ないといけない体だったら,本読めないし友達と会ったりしないと思うし,twitterでリプライ返したりしないと思う. 》  落合陽一
 https://twitter.com/ochyai/status/881209076192993280

 毎日八時間超寝ている私は……。

《 最近ひしひしと感じるのは凝り固まった近代人と言語が通じなくなって来ている.10代-20代と60-80代は割と通じるけどその間がやべえ. 》  落合陽一
 https://twitter.com/ochyai/status/881204599243251713

《 ダミアン・ハースト、スベりすぎやろ、、 》 黒瀬陽平
 https://twitter.com/kaichoo/status/881182622910697473

《 予想の100倍ダメだった。ダミアン先生はオヤジギャクの世界に爆進してた。 》 黒瀬陽平
 https://twitter.com/kaichoo/status/881183321719533568

《 俺が現代美術へ戻ってきて7年しか経ってないが、初期から知ってる作家で「絵」は書き続けるものの「絵画(つまり美術、 特に現代美術としての絵)」を描く人はどんどんフェードアウトしていることを実感してる。 》 アートカイバ
 https://twitter.com/misonikomioden/status/881108010482884609

《 互いに本人が気づいていない魅力を〈発見〉しあい、互いに相手によって〈自己変容〉していくのが「逢い/愛」だとしたら、 やはり恋愛は芸術制作について語るのに、最もふさわしいメタファーである。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/880942054041280512

《 写真は、人間の目が捉えたリアリティの「後」に、そのリアリティを補足するものとしてのみあったのではない。写真が見せてくれた光の像を、 人間は現実を把握する重要な方法の一つとして学んだのだ。遠近感や大きさのバランスが写実からかけ離れている絵を見て、つい 「実際はこんなふうじゃない」「デフォルメしている」と思ってしまう私たちは、カメラという機械の眼を深く内面化している。 》  大野左紀子「写真を見て描く、実物を見て描く」
 http://sniper.jp/008sniper/008423they_are_drawing_a_pictu/_15_4.html

《 なんらかの大人の事情で、区の文学館はこんなくだらないものを収蔵せざるを得ず、価値があるのもは廃棄せざるを得ないのだな、と思う。
  画家毛利武彦が、詩人阿部弘一の詩に添える画を、どれだけ完璧にしようと苦しんだか、その軌跡は保存されない。
  どうでもいいばからしいものが保存される。すべてが転倒している。そういう時代だ。 》 福山知佐子
 http://chitaneko.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/index.html#entry-114525532

《 とはいえ作品が消失していく圧倒的要因は、作者の遺族による廃棄処分であって、天災や戦災や盗難などによって消失/紛失していく 作品など極く極く一部にすぎない。この対策として以前から提唱しているのが「博物・美術館指定文化財制度」である。何ら効力のない紙切れだが、 遺族の意識に変化が起きる。 》 中島 智
 https://twitter.com/nakashima001/status/881056859913723904

《 何かを「知る」ことは、知ろうとしている自分が、いかに「ある」かということと繋がっている。知ること(knowing)とあること(being)を 切り離すことはできない。 》 森田真生「数学の贈り物」
 http://www.mishimaga.com/sugaku/018.html

《 馬田:今さらですが、経済学者のシュンペーターは「イノベーションの5分類」という形で、しっかり技術的な部分以外も言及されていますよね。 「新しい生産物や品質の創出と実現」だったり、「新しい生産方法の導入」というのも含まれているけれど、技術的な革新だけを主眼にはしていなくて、 「産業の新しい組織の創出」や「新しい販売市場の開拓」っていうこと自体もイノベーションだと指摘している。
  落合:これね、「イノベーション」を日本語に置き換える時、「技術革新」と訳した時点で日本は終わったなと。1958年の経済白書に、 イノベーションのことを「技術革新」と書いちゃったんですよ。あれは誤訳。 》 落合陽一×馬田隆明 TECH INSIDER
 https://www.businessinsider.jp/post-34694

《 コリドー街とギンザシックスのギャップ。それがいまの銀座を象徴している。距離にしてたったの200メートル。それは、近いけどとても遠い。 ギンザシックスの最大の魅力は「銀座」の最後の虚勢という部分かもしれない。 》 「目抜き通り」はいまどこへ? i-D
 https://i-d.vice.com/jp/article/the-history-of-ginza-and-where-ginza-would-take-us-to

《 「お前なんか議員やめろよ」と言われても「ありがとうございます、そんなあなたも守りたい」と返した山本太郎

  「安倍辞めろ」と言われたら「こんな人達に負ける訳にはいかない!」といきり立つ安倍晋三 》 level6
 https://twitter.com/levelsystem7/status/881086967789649920

《 昼間公園で「豊田真由子ゴッコ」してる子供達がいたのだが、誰一人秘書役がいない全員豊田真由子のパニック状態だった 》  へっぽこ太郎
 https://twitter.com/taro_heppoko/status/880473827578216448

《 「人生が校正できるなら、私は改版したい」 》 赤城毅
 https://twitter.com/akagitsuyoshi/status/881317217937145857