『ゲンロン0 観光客の哲学』3

 東浩紀(あずま・ひろき)『ゲンロン0 観光客の哲学』ゲンロン2017年2刷、『第5章 家族』を読んだ。

《 したがって、この状況を脱するためには、個人でも国家でも階級でもない、第四のアイデンティティの発明あるいは発見が必要である。 観光客の哲学の構想は、最終的にはこの課題にたどりつく。 》 206頁

《 しかし、いまの時代、自由主義でも全体主義国家主義)でも共産主義でみない第四の理論とそれを支える新しい理念が必要だという 認識には、同意せざるをえない。 》 206-207頁

《 家族は贈与で成立する。国家は収奪と再分配で成立する。市民社会は交換で成立する。 》 213頁

《 観光客の哲学は家族の哲学によって補完されねばならない。国民国家と帝国を往復し、誤配と憐れみを広げる郵便的マルチチュードの 戦略は、新しい家族的連帯に支えられなければならない。それゆえぼくはこの第二部を書いた。 》 214頁

《 死の絶対性と運命の必然性が生みだすハイデガーの哲学に対置される、出生の相対性と家族の偶然性が生み出す新たな哲学……。 》  218

《 新生児に人格はない。でもぼくたちはそれを愛する。だから子どもにも人格が生まれる。最初に人間=人格への愛があり、それがときに 例外的に種の壁を越えるわけではない。最初から憐れみ=誤配が種の壁を越えてしまっているからこそ、ぼくたちは家族をつくることが できるのである。 》 225頁

 晩、桜川の灯籠流しへ。子どもから老人まで、老若男女が和やかに順番を待っている。三島独特の光景だろう。人は年々増えているよう。

 ネット、いろいろ。

《 そして、2000年くらいからのフェーズが完全に終わろうとしているのが、今である。その理由は簡単で、すでに海外でも社会も技術も アートもみんな変わろうとしており、哲学も連動しているからである。 》 清水高志
 https://twitter.com/omnivalence/status/886127499595268096

《 反対なのは理解できる。だとしたら、「どこに貯めるのか」を言わなければならない。現状では、フクイチの敷地内にしかタンクは 作らないことになっている。排水反対を唱えても、敷地が無くなればゲームオーバーになる。発言を「伝えるだけ」のマスゴミも いい加減にして欲しい。 》 春橋哲史
 https://twitter.com/haruhasiSF/status/886357881594929152

《 ――でも、なんか悔しそうですね。

  外山:だってこっちは完全に、少なくともTwitter上では都議選の話題なんか吹っ飛ぶぐらいの大騒ぎにしてやるつもりだったんですから。 「会いに来た」、「アポはありますか?」、「ありません」、「じゃあ取り次げません」、「よし分かった、街宣だ!」って流れを想定してて、 初日はもちろん1人というか、街宣車に同乗してた身内2、3人だけでやるつもりでしたけど、その様子をネットで動画中継して まずはちょっとした話題にした上で、「交渉に応じるまで毎日やる。これは私だけの問題ではない。納得いかないアカウント凍結とか、 その他なんでも、Twitter社に文句がある奴は毎日正午に集合せよ。自作のノボリやプラカードを持参してもいいし、 トラメガとか持って来てもいいし、街宣車のマイクも開放するから何でも云いたいことを云え!」と呼びかけるつもりでした。集まった連中の“文句” の中身の正当性なんか問わない(笑)。在特会みたいな人たちの中にも、在特会と揉めてる反ヘイトスピーチの人たちの中にも、 Twitter社に文句がある人はいっぱいいるだろうし、胡散臭いのまで含めて集まれるだけ集まってもらって、在特会とカウンターが衝突し始めても放置 (笑)、とにかく“Twitter糾弾!”のノボリを林立させつつ、カオスにしてやろうと思ってました。

  ――まったくタチの悪い……。

  外山:革命家ですから。常に騒ぎのネタを探してるわけです。たかがアカウント凍結ぐらいのことですけど、これはオイシイ展開を期待できるぞ、 とワクワクしてたんですよ。 》 アカウントを凍結された外山恒一氏がツイッター社に直接抗議に行ったら、あっさりと解除された顛末
 https://nikkan-spa.jp/1358243/3

《 大竹伸朗の『カスバの男』しかり、『ただそこにあるもの』しかり、読んでいると、自分は彼と全くの逆を行く人間であることを つき続けられるのだけど、それゆえに強く惹かれる。心は引き裂かれるが、惹かれてしまう。 》 北山翔一
 https://twitter.com/kitayamashoichi/status/886229811718311936

 『既にそこにあるもの』ちくま文庫だな。二冊ともあるが、読んだ本は『カスバの男』求龍堂1994年初版だけかな。いや、未読のようだ。 パラパラと見ると、なんとも魅力的な素描たち。今ならワカルその魅力。

《 梅雨はどこかへ行ってしまったっきり… 》 路地徘徊人
 https://twitter.com/Cyoro_Kyoro