大竹伸朗『カスバの男 モロッコ日記』求龍堂1994年初版を読んだ。1993年7月12日から23日までの灼熱のモロッコ体験記。
《 マラケシュの耐えがたい午後の日差しの下、ストリートは静まりかえって歩く人もいない。 》 7月22日マラケシュ
《 どこへ行ってもハエがついてくる。気にしなければ気にならないし、気になりだすと気が狂いそうになる。 》 7月14日タンジール
《 街の地下には水路が走っており、ところどころ穴の開いた壁がある。人々はそこから生ゴミを投げ捨てる。異常な臭気。フェズ版 ヘラクレスの洞窟。 》 7月18日フェズ
《 もし真夏のフェズを走るバスの中の温度と臭気について多少の説明を受けていたら、おそらく僕は、頭に浮かんだその骨董屋の話は しなかったに違いない。 》 7月19日フェズ
《 夕陽の沈むころ、そこへ行った。人、人、人の大広場を歩くと、タンジール港に着いたときのガイドの執拗さの10倍ぐらいの圧力で 金を目的によってくる。金だ、金がすべてだ。ここではなにはともあれ金がすべてなのだ。 》 7月20日マラケシュ
《 僕が人物やら風景などを描く場合、顔でいえば目や鼻、口の位置、頭と首、体の部分とのつながりの関係、風景で言うなら例えば 道と山、空、家々、川や橋などの実際の位置関係などは結構適当である。適当というのはどうでもいいということことではなく、 この適当だがあるニュアンスを感覚的に体感するというところが、僕には重要なポイントなのだ。 》 7月16日タンジール
《 この「適当さ」が僕の場合すごく重要で、緊張感が高まれば高まるほど、それに反比例して「適当な抜き間」のタイミングのような 感覚が起こる。物のかたちや位置関係や色を決定する場合、そのほとんどが実際の色とは異なるのだが、実際以上に現実を定着するには その「抜きの間」のような感覚と、実景のランダムな即興関係によるところが多いようだ。そして「適当さ」がうまくいったと思えるときは、 なにも描いていない紙の白が、描くよりもずっとよかったと思えるようなときであり、そんなときその空白の紙の上には、こちらの内側の 体感が乗っているのだ。 》 7月16日タンジール
《 目の前の、極限の光に包まれた通りを色とりどりのカフタン、ジェラバ姿の人々が行きかうのが確かに見えるのだが、瞬間、目の前の 光景が宇宙の真暗闇と結びついてしまったような感覚におちいる。 》 7月22日マラケシュ
《 モロッコに関してまったく無知な自分の時間の流れの中で、体験が一瞬光り、そして徐々に消えてゆく。僕はいったいなにを見たのだろう。 》 7月22日マラケシュ
絵の配色がなんともいい。写真は「大竹伸朗／都築響一」。ほう。藤圭子の『カスバ女』を聴きたくなるなあ。聴いた。
朝の内に掃除機をかける。水シャワーを浴びる。ふう。体スッキリ（……いつまでつづくかな）。
午後所要で自転車で外出。二時間後帰宅。汗ぐっしょり。モロッコに比べりゃどうってことない。
ネット、いろいろ。
《 アートの根底的な無意味性というのが、ついに今世紀になって最終的な息切れ状態になっているのかなあ、そんな気がする。 どうやって無意味を再発明するか。取り組みやすいパターンは出尽くしてしまったので。 》 千葉雅也
https://twitter.com/masayachiba/status/887522378166616068
《 アートと社会性という最近のイシューは、大きく言えば意味の復権であり、コミュニケーションとして伝達可能な何かをアートに要求する ということだと思うのよね。それは20世紀的には反動的だと思われる。19世紀以前かよという。しかし無意味は息切れしている。 》 千葉雅也
https://twitter.com/masayachiba/status/887522989746536451
《 藤井四段の連勝にあやかろうと、勝ち運求めてみろく庵に殺到している者に言いたい。このみろく庵という店は、 神宮球場が近くにある。なのでヤクルトスワローズ関係者がよく出前を取ったり食事に来る。そのヤクルトはいま12連敗中である。 なのでそんな願掛けなど無意味だぞ。 》 こく一番のチャーハンになった咲来さん
https://twitter.com/sakkurusan/status/887523579583004672
《 おはようございます。まかり間違って、29連敗はないだろうな？ 》
《 先生「現代の中国とはどんな状態かね?」
生徒「はい！現代中国は崩壊寸前、今や中国は崖っぷちに立たされています！！」
先生「よろしい。ではわが日本はどんな状態かね?」
生徒「はい！わが日本は常に中国の一歩先を行っています!!」 》 ドンガメ六号
https://twitter.com/dongame6/status/887333975823310848
