司馬遼太郎『微光のなかの宇宙 私の美術観』中公文庫1991年初版、後半も読んで読了。明末清初の水墨画人、八大山人は知らなかった。 無知を恥じず、喜ぶ。まだまだ未知の凄い画人がいる。作品を見る楽しみが増えた。
《 ”日本”というのはかれにとって、浮世絵からの触発でかれ自身が創造した何かのイメージをあらわす術語であるようだった。パリ時代の かれを”日本”がゆさぶった。「日本人は、反射を考えず、平板な色をつぎつぎにならべ、動きと形をとらえる独特の線を出している」と いったふうに。むろんこの術語の内容としてはこれ以外にゴッホは夢想的に詰めこんでいるが、しかし、実際はゴッホの”日本”は日本でも なく夢想でもなかった。めまぐるしく、そして新入りに対して脅迫的なパリの美学理論とパリに住む多くの天才たちからかれは自分を守る ために”日本”というかれの多分に漠然たる美学理論を楯として立てざるをえず、、そしてアルルのある時期からゴッホは世界中のたれもが 手にしたことのない色彩を掴んだとき、その”日本”という楯が不要になるのである。 》 「ゴッホの天才性」 153-154頁
《 須田(国太郎)は七十歳で死んだが、ピラミッドの半ばまでの石を積んだようなかっこうであり、せめてあと十五年の時間と健康が かれに与えられれば頂上へも石をもちあげ、ゆっくりと最後の石を置いて自分の絵画を完成させたにちがいない。その意味では早逝の人 であったといえる。 》 「微光のなかの宇宙」 178-179頁
《 日本の代表的な画商が須田にむかって「ああ暗くては売れませんな」といったというし、 》 「微光のなかの宇宙」 183頁
安藤信哉の絵は七十歳を越えてから俄然飛躍した。そして八十五歳で永眠。絵は明るいが、画商がつかなかった。味戸ケイコさんの絵は暗いと 言われるが、売れる。「微光のなかの宇宙」は須田剋太が主題だが、さまざま連想を呼ぶ。続く「八木一夫雑感」には北一明を。
《 自分の思想的な詩に造形性をあたえたいというただ一つの目的のために、かれの技術も、あるいは火と土という日本に根づききった材料も、 こまかく配置され、計算されぬいて動き、あるいは予定のとおりに変化させられているというためである。それらは主題を押しだして虚空に 独立して輝かせるために存在していた。 》 194頁
《 しかし他者を圧倒することが芸術なのかという疑問が、つねに私の中に残った。 》 「出離といえるような」 239頁
この一行が効く。
ネット、いろいろ。
《 「初版道さんは持っていない初版本はないんですか?」という凄いご質問がありました。興味がない作家の初版本はほとんど持っていません。 逆に興味があり蒐集した「漱紅露逍鴎藤花独葉鏡聲風晶啄牧光荷潤春龍寛有実直白朔犀賢喜康利敦鱒基辰道治作安由」等の生前の初出初版本は、 ほぼ全て持っています。 》 初版道
https://twitter.com/signbonbon/status/892019835718123525
[これは創立45周年を迎えての総目録で、1900余点が並び、壮観である。
私にとって記憶に深いのは、小栗虫太郎『黒死館殺人事件』と夢野久作『ドグラ・マグラ』の復刻である。 》 出版・読書メモランダム
http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20170801/1501513265
復刻版『ドグラ・マグラ』1988年は新刊で購入。本棚には『沖積舎の七年』1980年がある。お祝い会に出席した記憶。
《 18 寺山修司と新書館「フォア・レディース」 》 小田光雄
http://ronso.co.jp/%e6%9c%ac%e3%82%92%e8%aa%ad%e3%82%80%e3%80%80%ef%bc%83018%e3%80%80%e3%80%88%e5%af%ba%e5%b1%b1%e4%bf%ae%e5%8f%b8%e3%81%a8%e6%96%b0%e6%9b%b8%e9%a4%a8%e3%80%8c%e3%83%95%e3%82%a9%e3%82%a2%e3%83%bb/
復刻版『ドグラ・マグラ』の隣には『寺山修司全詩歌句』思潮社1986年初版。『寺山修司全歌集』沖積舎1982年初版は、生前最後の出版。 サイン入り。「フォア・レディース」、寺山修司と宇野亜喜良の絵の本を何冊か持っているが、『1 ひとりぼっちのあなたに』1976年110刷、 『7 さよならの城』1967年13刷、『11 はだしの恋唄』1967年初版がベスト3。『ひとりぼっちのあなたに』、「*ひどく短いまえがき」。
この本は幸福そのものではありません
幸福のかわりに机の上に置いて下さい
《 放射線被曝の誤解、「年間100ミリシーベルトまで安全」は本当か? 》 坪井賢一 DIAMOND online
http://diamond.jp/articles/-/137004?page=6
《 まもなくベラルーシを出発して帰路につきます。チェルノブイリ原発事故から31年後の被災地で、人々は今なお放射能と向き合って 生活しています。日本ではたった6年でほとんどの人が向き合うのをやめたように見えます。どちらが恐ろしいことなのか? 》 広河隆一
https://twitter.com/RyuichiHirokawa/status/892496378441674753
《 ※ここまで手間や規制してカジノやらなくてもいいじゃん…
カジノ制度大枠:認定数や入場回数規制 依存症懸念に配慮 - 毎日新聞 》 無外流の狼
https://twitter.com/miburou3/status/892371378854174739
《 世界最長の歩行者用の吊り橋が開通、494m スイス 》 CNN
https://www.cnn.co.jp/fringe/35105107.html