『日本の歴史21 近代国家の出発』三

 色川大吉『日本の歴史21 近代国家の出発』中央公論社1980年45刷を少し読んだ。

《 (明治)十五年ニ月、かれ(岩倉具視)が内閣に建議した皇室財産設定にかんする意見書は、その第一弾とみられる。
  これは、国民の全財産と大差ないほどの皇室の財産を大至急設定し、それによって陸海軍の経費はもちろん政府の維持費まで支弁するならば、どのような国会の 攻撃があっても大権をまもることができるという、おどろくべき意見であった。 》 「幻のクーデター」 224頁

《 もちろん、こうした意見が、ようやく立憲制にふみきった伊藤博文らにうけいれられるはずはない。しかし、皇室財産を急ぎ大量に設定して、国家権力の 物質的基礎たれしめよという岩倉の建議は、そのまま実行に移された。 》 「幻のクーデター」 224-225頁

《 次の数字は、まるでオトギ話の国のことではないかとおもわれよう。しかし、もともとオトギ話のような神話のうえに成立した政権のことである。
  明治十四年の皇室料地わずか六三四町歩は、九年後の明治二十三年には三六五万四千町歩に達していた。これはじつに六千倍で、その年の民有林野総面積 八三八万五千町歩の半分位近い。 》 「幻のクーデター」 225頁

《 明治という時代は、あらゆる層の人びとを、これまでの生活の束縛(いましめ)から解いて、志あるものを自由に活動させたが、その反面にはおびただしい 敗残者の群れをつくりだした。 》 「北海道開拓」 228頁

《 とくに西南戦争のあとのインフレと、一転して明治十五年から吹きはじめた未曾有の不況の嵐は、こうした人びとにはいっそうの苦しみとなってこたえたはずだ。  》 「北海道開拓」 228頁

《 士族移民として成功したもっとも早い例は、藩主ごと石狩原野の当別に集団移住して、苦闘数年ついに新農場を築きあげた岩出山伊達支藩の士族たちであろう。 かれらが藩主伊達邦直(くにただ)を中心に異常な熱意と封建的なつよい結びつきをもって、さまざまな困難に打ち克ってゆく姿は、同郷の作家本庄陸男の 『石狩川』のなかに感動的に描かれている。しかし、この成功とて、開拓使の資金や深耕プラウ貸与などの援助がなかったとしたら、どうなっていたであろうか。 》  「北海道開拓」 242頁

 半世紀前『石狩川新潮文庫1964年12刷を読んで深く心に刻まれた。今も本棚にある。これまた再読を待っている本だ。

 ずっと雨。外出するので朝から暗い気分だったが、嬉しい知らせが。ああ、たったそれだけ!で明るい気分に。なんという単純な。けれども日々の生活のなかでの ささやかな嬉しさ喜びが、最強の生きてゆく原動力になる。人との信用信頼こそが最も大切と実感するこのごろ。

 ネット、いろいろ。

《 解説しておきますと、『公園には誰もいない』の講談社文庫には2種類あるんです。1974年版(白背)と、1991年版(青背)。で、 後者は結城昌治が全面改訂を施したオリジナルとはかなり違うバージョンなんですね。てっきりそちらで復刊するのかと思っていたのでいやはや、驚きました。 》  小野家由佳
 https://twitter.com/timebombbaby/status/918777643767513088

 元本の単行本、読売新聞社1967年初版で読んでいるが、いいハードボイルド・ミステリだった。その松本清張の解説から。

《 失踪した彼女の調査を依頼された真木は、依頼者との約束がきれたあとまで、真相を究明したい気持ちに駆られ、彼女の知っている人々を歴訪する。そして 秘められた人間関係の構図を、本格物の枠にはめこもうとしているのである。 》

 青背版は持っていない。探すか。

《 ドイツに行った友だちが「毎日ジャガイモとソーセージとザワークラウトとビールしかなく辛かった」って言ってて、 日本に住んでるドイツ人が毎日鮭弁当ばっかり食べてて「なんで毎日鮭弁なの?」って聞いたら「日本人は毎日違うもの食べてて疲れる」 って言ってた話と裏表で面白い 》 kirenenko
 https://twitter.com/You_yan/status/919915985540235264

 じゃがいもを茹でてサラダにしたところ。

《 今年は神戸は開港150年の節目でございまして。
  それをお祝いするかのように、
  ヒアリ
  不倫市議
  神戸製鋼
  といろんなニュースが全国を駆け巡っておりますです。 》 ザ・スパイダーいなばん
 https://twitter.com/soonsoul/status/919489917171859456

《  娘「お母さん寝る前のお話して」
  母「クリスティの『そして誰もいなくなった』」
  娘「横溝風に」
  母「イギリス・コーンウォール半島の中部に位置し、デヴォン洲とも呼ばれるその地域から船で数時間行ったところに周囲2里ばかりの小島があり、 その名をインディアン島と呼ぶ…」
  娘「zzzz…」 》 tokyo-zodiac
 https://twitter.com/machodolagon/status/919576222312439808