『動きすぎてはいけない』

 千葉雅也『動きすぎてはいけない』河出文庫2017年初版を少し読んだ。副題は「ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学」。ジル・ドゥルーズの本は、『スピノザ平凡社1994年初版とフェリッックス・ガタリとの共著『アンチ・オイディプス河出書房新社1988年6刷が本棚にあるが、未読。このあたりの本は読んでこなかった。 どちらもブックオフで100円。自慢することでもないな。それはさておき。少し読んだが、初っ端から蒙を啓かれる思い。先が思いやられる。ワクワク。

《 生成変化とは、部分的な関係づけと無関係化であると考えられる。そして問題は、関係をどう理解するかである。 》 「序──切断論」 31頁

《 そして、(2)「否定神学システム」は、政治・倫理的に批判される。すなわち、「共同体が異種混交的であること、その成員に何も実体的(ポジティヴ)な 共同性がないことが、逆に人々を排他的に結びつけることがありうるのだ。私たちはそれを「否定神学的共同体」とでも呼ぶことができる」。 》 「序──切断論」  38頁

 続く論述に、1970年前後のコミューン(共同体)崇拝(=幻想)への違和感を禁じ得なかったことが、そうだったのか、とやっと氷解し始めた。

《 これを受けて本稿では、存在論的ないし形而上学的に、接続過剰になった事物/非意味的切断によってバラバラにされた事物、という対比を検討することになる。  》 「序──切断論」 39-40頁

《 資本主義の、開放的/強迫的であるという二面性に対応している非意味的接続は、しかしながら、あちこちで途切れもする。このことを、非意味的切断と呼んで いるのである。 》 「序──切断論」 42頁

《 本稿は、差異の「存在論」の成立とその分裂のいずれか一方に、真のドゥルーズ像を定めるものではない。その「中間 milieu 」において、ドゥルーズ哲学の 不安定である住まい( okios )、ドゥルーズ哲学の体勢(エコノミー)を描こうとしている。 》 「序──切断論」 70頁

《 私たちの考察は、潜在性/現働性、イロニー/ユーモア、表面/深層といった二元性のあいだに向けられ、そのあいだを指示する概念を作ることも実験される だろう。 》 「序──切断論」 71頁

 「序」だけで他に多くの付箋を貼った。いやあ刺激的じゃ。「存在論」、表面/深層という用語と、その更新の予感にワクワク。よくわからないけどタマラン。

 大分市のコミュニティー情報誌『南大分マイタウン』380号が、発行人の御沓氏から届けられる。一面の記事「大分刑務所作業製品展」。

《 また今年はJAおおいたの駐車場に駐車OK。ここから刑務所まで護送バスで往復送迎するそうだ。 》

 わ、行きたい。

 ブックオフ長泉店で三冊。徳永恂『現代思想の断層』岩波新書2009年初版帯付、田中克彦『ことばとは何か』講談社学術文庫2009年初版、丸谷才一『絵具屋の女房』 文春文庫2007年初版帯付、計324円。

 ネット、いろいろ。

《 ここ一年以内だと大好きな今日泊亜蘭小泉喜美子を複数冊復刊しているが、ふたりとも作品のクオリティも申し分なく、五年前とか十年前に企画を出すことも できた。でも、それだとたぶん出せても一冊で終わっていた。復刊を後押ししてくれる風が吹く一瞬のタイミングを見逃さないのも仕事のうちなのだ。 》 日下三蔵
 https://twitter.com/sanzokusaka/status/930410943250546689

 本棚には小泉喜美子の新しい文庫が三冊。『血の季節』宝島社文庫2016年2刷、『痛みかたみ妬み』中公文庫2017年初版、『殺さずにはいられない』同初版。 没後三十年余。”風が吹く一瞬のタイミングを見逃さない”を心がけているが、私の元から引き取られていった美術作品たち……。知らんわ。

《 鈴木邦男氏は大学時代から右翼・民族運動に関わり、「生長の家」学生組織の書記長を務め、一水会を結成。27年間代表を務めました。 半生を憲法改正運動に捧げた鈴木さんですが、今は「自由のない自主憲法より、自由のある押し付け憲法のほうがまだいい」と述べています。なぜなのでしょうか。 (続) 》  津田大介 日本にプラス+
 https://twitter.com/tvasahi_n_plus/status/929949003977916416

《  ネクタイ屋を殺したのはだあれ?
  私だわって百合子が言った
  私のクールビズの号令で
  日本中のネクタイ屋が首を縊った


  豊洲を殺したのはだあれ?
  私だわって百合子が言った
  私のイッシャラーなA Iで
  豊洲のチカを粉砕した


  希望を殺したのはだあれ?
  私だわって百合子が言った
  私の排除の一言で 》 猟奇の鉄人
 https://twitter.com/kashibaTIM/status/930435894246391809

《  両誌の苦心のタイトルをいくつか紹介しよう。

  「冬が来た!『不倫』は罪だがナニは立つ」
  「飛び出して震える四次元エロ動画」(ポスト)


  「革命的エロ動画サイトを発見!」
  「60歳からのSEXは『早くて強く』が気持ちイイ」(現代) 》 "死ぬまでSEX"に注がれる高齢者の熱視線
 http://president.jp/articles/-/22894?page=3

《 忘年会で一発芸を強要されたら、日馬富士のモノマネと言って上司をビール瓶で殴ればその場を切り抜けられるんじゃ 》 エクスプロド・マジカル
   https://twitter.com/kudphilia1992/status/930419459197566976

《 お夕飯もチャーシューメンを食ってしまった、メンクイな私。 》