商標、擬(もどき)

 一昨日の授賞式会場ののエントランスや廊下には、有名な日本画家の額装された20号〜50号ほどの日本画が壁面を飾っていた。お、これは横山大観(富士山)、 これは川合玉堂(山村風景)と、その画家の商標のような絵をじっくり見て、欲しいと思った絵は一点もなかった。何故だろうと考えていて昨夜、友だちとの 電話ではたとわかった。なぞっているのだ。だからそこには生気が乏しい。だが、私の審美眼が間違っていることもある。これは私個人の見方。

 ネットオークションに青磁で高名な陶芸家の作品に目が留まった。こりゃ珍品だなと画像をじっくり見て気づいた。この粗い釉掛けは、二級品ではなく贋作だろう。 そう気づくと、いろいろ粗(あら)が見えてくる。いかにも、な説明書き。押印も怪しい。やはり珍品には手を出してはいかん、な。骨董には近づかないに限る。 アンティークだ、ヴィンテージだと言わず、古道具止まりがちょうどいい。古本も、古書ではなく新古書止まりでよい。まずはブックオフか。

 朝から昼までやんごとなき用で外出。無事済んでほっ。やれやれ一息とコーヒーを淹れたところに来客。応対後には冷めている。ま、いいか。日没に追われるように 自転車を走らせ、イトーヨーカドー三島店内の本屋へ。三百円の割引券で松岡正剛『擬( MODOKI )』春秋社2017年初版帯付。帰宅。くつろぐ間もなく配達。 ネット注文した古本、塚本邦雄『戀 六百番歌合』上下巻、文藝春秋1975年初版函帯付が届く。知人から商店街ストリートギャラリーの広報の相談。マスコミを彼は 想定していたが、今はネット(ツイッターフェイスブック、インスタグラム)で拡散、と伝える。彼は蒙を啓かれたよう。

 ネット、いろいろ。

《 アートにおける表現規制助成金の問題について、先月取材を受けたものが記事になっています。ぼくとしては、あたりまえのことを、 できるだけ実体験や見知っているものに即してお話したつもりですが、異なる立場からの批判もあるでしょう。 》 黒瀬陽平
 https://twitter.com/kaichoo/status/937964381886754816

 東京新聞朝刊にその記事「沖縄のアート公開中止問題」。

《 行政が金を出した芸術祭や展覧会が増えれば増えるほど、こうした目に見えない自主規制がたくさん起こって、じわじわと現代美術がつまらなくなる。だから 実際に日本では現代美術が根付いていないのではないかとさえ思う。 》

《 行政がいまの姿勢のままなら、それに頼らない展覧会を開けば良い。(中略)本来アーティストは行政から自立して活動すべきだし、クライアントと利害が 一致しないなら、別のクライアントを探すべきだと思う。(中略)いや、ギャラリーでなくとも良い。自分で不動産屋を回り、空き店舗などで自分の表現したい作品を 発表すれば良い。私はそうしている。 》

 そのとおり。K美術館は、行政他、補助金等は一切受けなかった。すべて自腹。家数軒分を散財したが、後悔はしていない。

《 半額、という文字の前にはすべてが無力である。 》 大矢博子
 https://twitter.com/ohyeah1101/status/937971822036795393

 一昨日の晩、閉店間際の大丸百貨店、お惣菜売り場では「30%引き」の札を掲げた店員、多数。半額なら、と素通り。

《 広告うざったいの多いので、定期的にツイッターに「雪見だいふく」って書くことにしてる。そしたら広告雪見だいふくしか出ない。 》 すてぃっち卿
 https://twitter.com/TAS6284/status/937274235575087104
《 (竜王叡王棋王……あとはラオウしかないじゃん。) 》 橋本麻里
 https://twitter.com/hashimoto_tokyo/status/938076118099181568