『エウパリノス』

 ポール・ヴァレリー『エウパリノス』1921年を『世界の名著 続12 アラン/ヴァレリー中央公論社1974年初版で読んだ。天国でソクラテスと弟子の パイドロスが対話をする形式の作品。対話篇だ。なかなか面白い。パイドロスの友人エウパリノスは建築家。パイドロスの発言。

《 しかしわれわれのすばらしいプラトンが生みの親である例の「観念(イデア)」という考えは、ぼくの意見では非常に単純でありすぎ、いわばあまりにも 純粋すぎるところから、さまざまな「美」の多様性や、人々のあいだの好みの変化や、かつて激賞の的だった多くの作品の消滅や、これまでとはまったく別な 作品の創造や、一度すたれたものの予想もつかない復興など、そういうものの説明ができません。 》 401頁下段

《 白状しますと、音楽から知らない間に離れて、いわば音楽を置き去りにするというようなことがよくありました。……音楽を起点にして、気晴らしに あらぬことを考えるのです。 》 417頁下段

 同じような人がいる。

《 「音楽」と「建築」がどちらもわれわれとそうした深い血縁関係をもっていることがよくわかります。 》 418頁下段

《  犬は飽きもせずに月に向かって吠えますね。 》 440頁下段

 暮、年賀状に月に向かって吠える犬の図を考えたけど、止めた。萩原朔太郎『月に吠える』は1917年の刊行。

 ソクラテスの発言。

《 人間に? ……犬は星を見たって仕方がないが、だから犬は星を見ないと思うかね。 》 440頁上段

 武田百合子犬が星見た-ロシア旅行』1979年はここからの連想か、とウィキを見ると全然違った。

《 本書では、タイトルは、近所の犬がビクターの犬のように座り星を見上げていたのを見て、名付けたとしている。だが、村松友視の『百合子さんは何色』 によると、ゴールデン街の酒場のトイレで、 建付けが悪い扉を片手で押さえながら用を足す際に、扉のすきまから星が見えたことを、ヒントにしたという。 》

《 百合子の祖父は、大正期の米騒動時代に「鈴弁事件」という事件で殺害された「悪名高い」人物だった。 》

 東京新聞三日の「本音のコラム」、斎藤美奈子『明治より大正』から。

《 どうせ思い出すなら、安倍政権に同調した明治の精神より大正の精神のほうがいいな、私は。今年は市民運動の原点というべき米騒動百年の年。 》

 寒々した曇天。オツムも鈍天。ゆっくり(のそのそ)動く。
 午後、買いものから帰って買い忘れに気づくが、雨がポツポツ、明日にまわす。降水確率20%なのにねえ。
 きょうはこんないいCD忘れてた、で、BALLOU CANTA『 BOBOTO 』2015年を。コンゴ出身の歌手。ズークやアフロビートをベースに軽快にして聴き応えがある。
 http://elsurrecords.com/2015/06/24/ballou-canta-boboto/

 ネット、いろいろ。

《 なぜ紙の本が復活? 「美しい本」と独立系書店の取り組みとは 》 NewSphere
 https://newsphere.jp/business/20180103-2/

《 書店員・本好き芸能人が選んだ「平成の小説ベスト50冊」 》 週刊現代
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54025

《 水道民営化なんて世界中でダメだこりゃになってるのに「世界の流れ」と掻き立てる日経新聞はなかなかすごいと思う。多分大きい会社だから、 現場の記者が書いた記事がデスクに上がるまで五年、校正に五年、印刷に五年くらいかかってるのだと思う。 》 つゆぴ
 https://twitter.com/tsuyup/status/948683663260106753

《 「ぼくのかんがえたさいきょうのけんぽう」とか言うのは5歳までにして。 》 中野昌宏
 https://twitter.com/nakano0316/status/948824350664224768

《  いそうでいない動物選手権の結果を発表します。

  最優秀賞
  トラウマ

  金賞
  木魚

  入選
  インスタバエ

  マツコ・T・レックス

  リストラ 》 坊主
 https://twitter.com/bozu_108/status/948797024605847552

《 過去の嫌われ者の大スター環境ホルモンはどこへ行った? 》