『四方対象』ニ

 グレアム・ハーマン『四方対象  オブジェクト指向存在論入門』人文書院2017年初版を少し読んだ。

《 フッサール現象学的方法は、外界についてのあらゆる考察を括弧に入れ、もっぱら意識に流れる現象だけに焦点を合わせたものであった。彼の反抗的な後継者 であったハイデガーは、あらゆる現象の背後にあるものへと私たちの注意を促すことで、この手続きを反転させる。 》 「第三章 実在的対象」 61頁

《 人間さえも、それを外から観察する者に対して現前する一方で、決して完全には理解されえない実在の闇へと退隠しているのである。 》 「第三章 実在的対象」  67頁

《 だが、手前性と手許性の差異は、しばしば、さらに別の仕方で誤解されてしまう。 》 「第三章 実在的対象」 71頁

《 ハイデガーは存在と人間的現存性との間に枢要な裂け目を確立しようとしたが、むしろ彼は私たちに実在と関係の間にある基礎的な差異をもたらしたのである。 》  「第三章 実在的対象」 74頁

《 カントの立場に本当に固有なもの、それは人間と世界の関係が他のあらゆるものを優越するという考えである。 》 「第三章 実在的対象」 75頁

《 対象を正当に扱う唯一の方法は、その実在性をあらゆる関係から自由で、あらゆる相互性よりも深いものとして捉えることである。対象は、私秘的な空虚において ヴェールに包まれた黒い結晶なのだ。つまり、対象は自らの構成要素にも他の事物との外的関係にも還元不可能なものなのである。 》 「第三章 実在的対象」 78頁

 今朝も寒。午前七時一一分−4.2℃。八時で−2.4℃。布団から出るのがいやになる。冬眠したいわ。
 年配の女性画家と電話。百号といった大きい油彩画を処分(裁断)していると言う。これからは紙に描くと。それがいいと応える。高齢の画家は絵の保存と処分に 悩む。良い絵は引き取り手があるが、大作は誰も引き取らないのが実情。殆どの絵画は歳月とともに商品価値が下がってゆくが、売った時、買った時の価格が 記憶にこびりついていて、引取価格に「そんなに安いの?」と愕然とする。価格維持作品はごくわずか。

 特別展「名作誕生−つながる日本美術」東京国立博物館4月13日〜5月27日は「創刊記念『国華』130周年・朝日新聞社140周年記念特別展」。
 http://meisaku2018.jp/
 対抗して田嶋志一が関わった時代の審美書院、美術画集展をどこかでぶつけてほしいなあ。

 ネット、いろいろ。

《 小泉喜美子『月下の蘭/殺人はちょっと面倒 』創元推理文庫 》 東京創元社
 http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488486112

 あと一月か。買わねば。復活、小泉喜美子。嬉しい。

《 FDPについて考える上で絵画においてもいくつか実践的に見られるものがありますが、とりわけ重要なのはなによりもアヴィニョンの娘ですね。 》 上妻世海
 https://twitter.com/skkzm/status/956571020646756352
 FDP=four dimensional perspective(四次元視点)

《 というよりグリーンバーグの平面性へのこだわりそのものが一人称一元的であり、それを元にしたセザンヌキュビスム→抽象表現主義という 単線的歴史自体も怪しいのであり、そもそもキュビスムにおける実験性とは一元的な基底としての平面性を前提にしていたら解釈不可能なんだと思うね。 》  上妻世海
 https://twitter.com/skkzm/status/956572263557488640

《 ちなみにピカソポアンカレを読んでいたわけで、四次元視点について自覚的に「アヴィニョンの娘」を描いていることを僕は確信しています。 加えてスタインバーグの「哲学的な娼窟」を読んで、その確信を強めました。 》 上妻世海
 https://twitter.com/skkzm/status/956574513898037248

《 「文化は、経済と政府の社会政策アジェンダに資するものとして位置づけられ」、「公共政策のメインストリームへと押し出された」。その結果、 「あらゆる波乱を生んだ」のである。 》椹木野衣(書評)『文化資本クリエイティブ・ブリテンの盛衰』 ロバート・ヒューイソン〈著〉
 http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2018011400007.html

《 政治家はカネの配分が仕事であって、口でパーパー寝言を垂れ流すのが仕事ではない。アベシンゾーの手口は、口では盛んに無料の寝言垂れ流して、 その裏では黙ってカネをアベトモに配分するというw 》 ネットゲリラ
 http://my.shadowcity.jp/2018/01/post-12602.html

《 安倍総理はまだ「国のかたち、理想の姿を語るのは憲法だ」などということを言っている。周りに法律の専門家はいないのだろうか。 憲法は国のかたちや伝統、理想をお花畑的に語るものではない。今のように暴走する権力から国民やその権利を守るためにこそある。 もういい加減に憲法を理解してもらいたい。 》 小沢一郎(事務所)
 https://twitter.com/ozawa_jimusho/status/956432007042445312

《 安倍首相は、屈服と戦争の二者択一に相手を追い込んでいけば、いずれ必ず相手が屈服すると主観的に思い込んでいる様子だが、 1937年以降の中国は屈服しなかったし、1941年の日本も屈服でなく戦争を選んだ。敗北必至という想定が出ていても、それを選んだ。その時の大義名分は 「自存自衛の戦争」だった。 》 山崎 雅弘
 https://twitter.com/mas__yamazaki/status/956439015938379776

《 長女「今日道徳の授業、超楽しかったー!」「道徳が楽しい?」「<給食費払ってるからいただきますを言わなくてもいい>という意見に対してみんなでキチガイ、 クソと悪口を言いまくるだけの楽しい授業だったよ」「炎上たのしそう」 》 Horikoshi Hidemi
 https://twitter.com/fmfm_nknk/status/956508262823690240

《 忘れちゃいないかい?今日はプレミアムFRIDAY 》