『なぜ世界は存在しないのか』ニ

 マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』講談社メチエ2018年初版を少し読む。

《 それでも哲学者としては、こう判断することができます。宇宙は、物理学の対象領域ないし研究領域にほかならない以上、けっしてすべてではない、と。 》  「I これはそもそも何なのか、この世界とは?」 42頁

《 記憶のなかから想起される対象や光景は、物質的には存在していませんし、宇宙のなかには(もはや)現れてきません。 》 「I これはそもそも何なのか、 この世界とは?」 46頁

《 夢の世界には、時間的・空間的な拡がりをもった物は存在せず、夢に見られた対象だけが存在しています(これは「対象」と「物」を区別する重要な点です。 つねに具体的・物質的な性格が「物」にはありますが、そのような制約が「対象」にはありません)。 》 「I これはそもそも何なのか、この世界とは?」  55頁

《 物・対象・事実だけではなく対象領域も存在しているということです。それゆえ、ここではさしあたり、こう定式化しておくことができるでしょう。世界とは、 すべての領域の領域、すべての対象領域を包摂する対象領域である、と(これと違って宇宙は、自然科学の対象領域しか包摂していません)。 》  「I これはそもそも何なのか、この世界とは?」 55頁

《 世界とは、物の総体でも事実の総体でもなく、存在するすべての領域がそのなかに現われてくる領域のことです。存在するすべての領域は、世界に含まれている。  》 「I これはそもそも何なのか、この世界とは?」 69頁

 事務処理で市役所、町役場などを廻る。一日を費やす。無事片付いてやれやれ。コーヒーを淹れる。気分しみじみ。明日のお出かけを思い、カボチャを煮る。 日が暮れる。

 ネット、いろいろ。

《 ガブリエルの『なぜ世界は存在しないのか』何回か読むと本当にいい本なんだけど、「意味の場」などの言葉で出てくる意味(sinn)は、大体すべて 「感覚、感性」とダブルミーニングになっていると思って読むべきだ。結構、経験主義的な思想であり、そのなかでの精神(Geist)も、思うままにならない 》  清水高志
 https://twitter.com/omnivalence/status/965989627059257344

《 世界に開かれた可塑的なものと考えられている。 》 清水高志
 https://twitter.com/omnivalence/status/965989628325986304

《 そういう精神(Geist)っていうのは、思いのままにならない物事に触れたときに「あわれ」を感じ、かつ「物」の「情(こころ)」を知ると 本居宣長が言ったものに近い。「情(こころ)」っていうのは、感情だけど「そのこころは?」という場合の「意味」でもある。 》 清水高志
 https://twitter.com/omnivalence/status/965990618026491904

《 で、虚構のものにも「情(こころ)」はあるんですよ。ガブリエルは分かってるやつ。 》 清水高志
 https://twitter.com/omnivalence/status/965991250049445888

《 デリダドゥルーズのたぐひならめや ガブリエルはよき人 》 清水高志
 https://twitter.com/omnivalence/status/965991324074762242

《 一九七〇年代頃までは函入布装はまっとうな本なら当たり前の装幀だった。ただし一口に布装と言っても、布の種類によってさまざま (木綿が多いように思います)。必ずしも味わい深いものばかりではないが、それでも、洋書の布装などとはまた別種の趣味性が感じられる。 》 Daily-SUMUS2
 http://sumus2013.exblog.jp/29601603/

 クロス装(布装)の堅表紙本に若いときから惹かれている。二十歳頃、今はない三島市の古本屋富士書房で購入した記憶のある、三笠書房から1967年に全五冊で出た 『日本の旅 名詩集』は、小体な函入布装本。一冊手にして惚れ込んだ。古本をネットで簡単に注文できる今世紀になって五冊が揃った。布の手触り、なんともいい。 第三巻は『3 関東 伊豆 箱根 東海』。巻末の「文学散歩」には旧国鉄の路線図が描かれた地図。東海道新幹線はない。東海道本線の駅は、大磯〜小田原〜熱海〜 沼津〜富士〜静岡。三島はない。五十年前はそんなもの。地味な街だった。テレビ東京から見れば、今もそのようだ。

《 僕は現代美術をデュシャンーウォーホルーボイスの三角形で考えている。僕は上から目線の嫌味もやる(デュシャン)、皮相なイメージも振りまく(ウォーホル)、 でも今回与えられたお題はボイス寄りなのだ。ひたすら人類のため。その時、方法論は「愚直」になる。 》 会田誠
 https://twitter.com/makotoaida/status/965398634287153153

《 前に『歴史群像』誌で「レッドパージ」の記事を書いたとき、日本の陸海軍がポツダム宣言受諾で事実上無力化されて解体した後も、 特高警察は何事もないかのように以前と同じ方向性で「取り締まり」を日本国内で続け、1946年には予算増額まで要求していた事実を知り驚きました。 》  山崎 雅弘
 https://twitter.com/mas__yamazaki/status/966211243332853760

《 毎日、平昌五輪で活躍した選手を賞賛するツイートが流れてくるが、応援していた自分の写真を貼付けてくるのは首相だけだ。 》 武田砂鉄
 https://twitter.com/takedasatetsu/status/965421833422950400