森田真生『数学する身体』新潮文庫2018年初版、前半を読んだ。厚くないので一日で読めるかと思ったけど、読むのが遅い。じつに示唆に富む内容だ。連想が あちこちに飛ぶ。
《 数を道具と見るか、それ自体を研究の対象と見るかで、見え方も変わってくる。 》 30頁
数を他の言葉に替えると、視野がぐーんと拡がる。お金、女・・・これはいかんな。
《 かつて狩りや調理など実用のためだった道具たちがが「みて、感じる」対象になったとき美術の歴史が始まったのだとすれば、数字や図形がそれ自身「みて、 感じる」対象になってこそ、数学もいよいよ文化となったと言えるのかもしれない。 》 31頁
《 ともかく、ここで強調したいことは、様々な認知的タスクの遂行において、脳そのものが果たしている役割が、思いのほか限定的であるということである。 脳が決定的に重要であることはもちろんだとしても、仕事の大部分を身体や環境が担っている場合も少なくないのだ。 》 40頁
《 生物は機械と違い、環境の中を生き残ってきた進化の来歴を背負っている。ロボットにとって環境はあくまで「解決すべき問題」かもしれないが、生命の方は、 環境を「問題」と片付けてしまうにはあまりにもそれと深く交わっている。 》 41頁
《 それまで世界中の数学者が「イコール」の記号もなしに数学をしていたというのは、にわかには信じがたい。が、この記号の発案者であるロバート・レコードは、 その著書『知恵の砥石』（一五五七）の中で「に等しい」という言葉を二百回近く繰り返してようやく、「＝」という記号を使えば、その「長ったらしい言葉の 繰り返しを避ける」ことができる、と気づいたのである。もっと早く気づいてもよさそうなものだが、それはいまだからこそ言える話であって、当時の数学は それほどまでに自然言語に拘束されていたのだ。 》 70-71頁
午後、近所の蓮沼川で生まれたカルガモの六羽の雛が、川面をこちょこちょ泳ぐ姿を友だちと眺める。飽きない。
ネット、いろいろ。
《 山口達也と非生産 》 田房永子「女印良品」
http://www.lovepiececlub.com/lovecafe/mejirushi/2018/05/07/entry_006869.html
《 「なぜ、今、哲学なのか：発言する哲学、越境する哲学」を開催 》 明治大学
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~philo/report/2018/0414.html
《 １主客の不可分をただ言う→大正生命主義、ロマン主義、２主であり客であることを言うために一と多の対が組み合わされる→準‐客体論、ANT、 ３主であり客であることと一であり多であることが即時的に言われるために「内と外」という対が組み合わされる→ハーマン、セールの袋詰め論、という序列が 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/994244762126385152
《 あるいは考えられるかもしれない。 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/994244764043116544
《 対立二項の排中律的な分離を解消するためには、三項性が必要で、その三項がそれぞれ別種の対立二項であることが望ましい。 》 清水高志
https://twitter.com/omnivalence/status/994250692763140096
《 午前の柳瀬元首相秘書官の参考人招致で分かったこと
・秘書官だけど官邸で誰とでも会う
・秘書官だけど誰と会ってるか分からない
・秘書官だけど総理には報告しない
・秘書官だけどメモを取らない 》 satoyuuiti
https://twitter.com/satoyuuiti/status/994400723298217990
《 公募の2年前に安倍さんの腹心の友である加計学園関係者に3回も官邸で会い、懇切丁寧なアドバイスをしたが、その報告を安倍さんに1度として上げなかった。 「だから総理は加計学園について何も知らない」と柳瀬元秘書官は参考人招致で言っている。凄まじいな。それはすでに秘書官ではないってことだぜ。 》 立川談四楼
https://twitter.com/Dgoutokuji/status/994411953572360192
《 昔、「ぼくはえらい」「きみの何がえらい?」「体がえらい」という漫才があったが、いまの「日本、凄い」もどこか似たところがあるようだ。 「日本、凄い」「どこが凄い?」「組織に不祥事があってもトップが絶対に責任をとらないところが凄い」とか。 》 山田正紀
https://twitter.com/anaryusisu/status/994176053743517696
