落合陽一『デジタルネイチャー』PLANETS2018年2刷、「第2章 人間機械論、ユビキタス、東洋的なもの」を読んだ。よく出来たSF小説のよう。
《 それは一言でいえば、人間的論理がないまま結果だけを受け取るノウハウ依存的な方法論である。この学問体系は、今までの知的情報処理のあり方を覆す可能性を 秘めている。 》 84頁
《 つまり、西洋近代の人間中心主義による「〈人間〉の超人化」と「人間のための環境(モノ)の進化」という発想に対して、「〈人間〉の脱構築」と「環境的知能の 全体最適化」、つまり、「〈自然〉としてのコンピュータ」のエコシステムの構築を目指し、その超自然にそれぞれ不可分に内包されるのがデジタルネイチャーである。 》 87頁
《 ここから、事事無碍という言葉で表現できる、この東洋的華厳と現代のコンピューティング、およびインターネット世界の共有性が、僕が見ている「物化」と 「自然」によるデジタルネイチャーの世界であるといえる。僕はここに End to End のエコシステム、ひいては近代西洋性より始まって東洋性に至るものを見ている。 》 92頁
《 いずれ人間同士のつながりに機械が介在することで、コンテクストを共有し言語以外を用いて意図を伝達する超言語的なコミュニケーションが出現するのでは ないか。 》 104頁
《 言い換えるなら、言語的な理解よりも先に当事者の意思によってモノが動く状態を「魔法」や「魔術化」と呼んでいるのだ。 》 106頁
「第3章 オープンソースの倫理と資本主義の精神」を読んだ。「第2章」ともどもどこか隠れた論点、盲点がある気がする。ベーシックインカムなんか。しかし、 じつに大胆な未来予測図だ。スリリング。
沖縄慰霊の日。黙祷。
ネット、いろいろ。
《 アーカイヴがこんなふうに遍在するとき、「アーカイヴからの帰還」ではなく、むしろ「アーカイヴからの脱出」、あるいは、アーカイヴのなかに空隙を穿つことが 問題となる。翻って、現存するアーカイヴについて問われるべきもまた、「そのアーカイヴにはいったい何が決定的に欠落しているのか」という、構造的な「不在」の 可視化かもしれぬ。「汚辱に塗れた人びとの生」の光は闇ゆえに輝く。記録として残されなかった沈黙こそが雄弁に語る。すなわち、闇こそを輝かせる反転によって、 禁忌の領域であるアーカイヴを裏返すのだ。そのとき、書き残されなかった無数の「秘密」たちは、輝く黒点の「星座」となって残されるだろう。 》 「アーカイヴの魅惑と倫理」田中純
http://www.repre.org/repre/vol33/greeting/
『デジタルネイチャー』98頁より。
《 誕生以降のすべての記憶をクラウドにバックアップすることで、生涯の全記録をいつでも取り出せるようになれば、それは人間の記憶よりもはるかに巨大な容量の メモリを用いた、過去へと向かうタイムマシンのようなシステムになりうる。 》
《 落合陽一氏の言説、明らかに文系リベラルインテリをイライラさせる種のものだと思う。しかし、僕としては、落合氏に同調しないのと同時に、 落合氏へのこれからますます高まるだろう批判にも単純には同調しないだろう。なぜかと言えば、 》 千葉雅也
https://twitter.com/masayachiba/status/1010134409276604416
《 落合氏は、ネーションやローカリティの問題をどうにか新たに考えたい、グローバルな普遍主義ではなく、という問題意識があり、それには僕も興味があるから。 だがそこで落合氏が持ってくるのは、幻想的な、これまでも反復されてきた東洋的なもののステレオタイプである。そうじゃなく、考えられないか。 》 千葉雅也
https://twitter.com/masayachiba/status/1010135181817049089
《 経団連の正副会長19人の同質性について日経が切り込んだ記事。女性、外国人、起業家、転職経験者、50代以下、これらが全部ゼロというのは改めて衝撃的だ。
・全員男性
・全員日本人
・一番若くて62歳
・全員サラリーマン経営者
・だれ一人転職経験がない 》 望月優大
https://twitter.com/hirokim21/status/1009631714325377024
《 取引先にアポイントを取ろうとしたら、「その日は娘の発表会があるので」と断られたんだけど、娘の発表会というのはモーニング娘。 のライブのことだということが後日になって判明した 》 ちまき
https://twitter.com/chi_maki/status/1010196800865644546