『感性は感動しない』

 椹木野衣『感性は感動しない  美術の見方、批評の作法』世界思想社2018年初版を読んだ。美術に興味があるけど、どのように接したらいいのか迷っている 若い人にうってつけの本だ。

《 はっきり言うが、芸術に技は必ずしも必要ではない。芸術に必要なのは、圧倒的に感性である。 》 3頁

 のっけからこう断言されると、躊躇、迷いは吹っ飛ぶ。うまいつかみだ。

《  そもそも、よい絵とはなんであろうか。すぐれた美術作品とはどんなものであろうか。
  答えは簡単で、見る人の心を動かすものにほかならない。 》 4頁

 難しいことはいわない。読者の胸に直球で言葉を投げかけてくる。

《 感性など、みがこうとしないことだ。 》 7頁

 以上、表題の「感性は感動しない」の章から。この十頁足らずの章で、読者は大いに励まされ、勇気づけられるだろう。で、長年美術作品の蒐集に明け暮れてきた 初老の、スレッカラシの私は、別の箇所にそうなんだよなあ、と元気づけられる。

《 つまり、書く(話す)のと直す(見る)のとではまったく別の代物なのです。 》 96頁

《 とりわけ読点をどこに打つかは考えさせられます。読むというのは、書き手と読者が息を合わせることでもあるからです。 》 100頁

 自分の評価した美術作品をどのような言葉で適切に表現するか。句読点ともどもえらい苦労。作家から喜ばれると、苦労は吹っ飛ぶ。なかなかないが。
 そして最も深く頷いた箇所は。

《  本当に勇気が求められ、価値が賭けられるのは、いつだって新譜や新作だということです。まだ誰も言葉を発していない一枚や一本に対して、自分がそれを どう思うのか、そのつど自分だけの力で決めていかねばなりません。
  言い換えれば、批評家がいちばん問われるのは、なんといっても新人への判断です。(中略)新人というのは履歴がないということだからです。それはとても怖い ことです。 》 167頁

 私は批評家ではないから全然怖くはない。ってことは自信過剰で向こう見ずだということか。今は私だけが真価を知っている・・・。
 それから、「だよなあ」と同感したのは。

《 これだけ情報が密に行き交うような世の中では、「ぼーっ」とするのはいわば無駄な時間です。しかしこれが無駄ではぜんぜんなかったのです。バスの座席に座って 窓からどうでもいい風景を漫然と眺めている。 》 116頁

 おお、昨日の自分のことか。

 昨日と同じく暑いほどではないので昼前(最高気温、午後1時38分、31.3℃)、自転車で外出。久しぶりにブックオフ長泉店に寄る。B・J・オリファント 『藪のなかの白骨』教養文庫1992年初版、同『予期せぬ埋葬』同1993年初版、計216円。帰宅。汗〜。シャワー。
 そういえば昨日まで延々と読んできた『正法眼蔵』。ブックオフで一冊108円、六冊計648円で購入。第六冊以外は帯付。ブックオフ通いはやめられない。
 午後、友だちからメール。”今、セールスの電話があり、あなたから教えてもらった、「留守番のものです」作戦ですんなり断れたよ 笑”。

 ネット、いろいろ。

《 市長「中止なら私を殺して」 三島駅南口再開発をめぐり/SBSNEWS 》 You Tube
 https://www.youtube.com/watch?v=6oWEJzpRcR8

 私が現場にいたことがバレバレ。

《 【ハイヒール殺人事件】ロンドンのトラファルガー広場でファッションモデルのB・ロックウッドが突然倒れ、帰らぬ人となった。心臓麻痺、脳出血、 毒物はすべて医師に否定され「今世紀最大の完全犯罪」と騒がれた。死因は彼女のハイヒール。かかとから脳髄に衝撃を受け続け、激痛が死を招いたとされる。 》  フランス書院文庫編集部
 https://twitter.com/franceshoin1985/status/1022093867942862849

《 何か杉田水脈自民党の中でも特異な存在のように扱われてるけど「国民の生活が第一なんて政治は間違ってるby稲田朋美」とか「そもそも国民に主権があることが おかしいby西田昌司」とか、ナチスを見習う麻生太郎とか24時間死ぬまで働けのワタミとか、自民党って人類の敵みたいなのがいっぱいおるでしょ 》 とみ
 https://twitter.com/meow164/status/1021917755409219584

《  学問というのは、仮説を立て、それをこうやって一つ一つ、試す行為です。

  仮説を立ててオシマイなのを、アベシンゾーと言うのですね。 》

《  去年は冷夏で消費低迷、今年は猛暑でか?
  あっ通販サイトを利用してるからでしたっけ 》