『生命誌の世界』ニ

 中村桂子生命誌の世界』NHK出版2004年3刷を少し読んだ。

《 そこで、アメリカのがん研究のリーダーの一人ダルベッコが、一九八六年に、ヒトゲノム解析の提案をしました。ゲノムとは、一つの細胞の核内にあるDNAの すべてです。ヒトゲノムはヒトを支える生命現象のすべてを担当するわけです。 》 65頁

《 つまりあなたのゲノムには、生命誕生以来の長い歴史(三八億年以上とされる)が書き込まれているのです。ゲノムを知ることはその歴史を知ることになります。 生命誌(バイオヒストリー)です。 》 72頁

《 つまり遺伝子は”ヒトの遺伝子””大腸菌の遺伝子”というより、”ある酵素の遺伝子””あるホルモンの遺伝子”という方が適切なのです。 》 73頁

《 DNAという共通の物質であり、共通の遺伝子を組み合わせながら、多様や個別を作り出すのがゲノムです。 》 74頁

《 もう一つとても大切なことがあります。自然界に存在するDNAは、必ずゲノムという姿をしているということです。 》 74-75頁

《 このようにゲノムに注目するとDNAという共通なものを踏まえながら多様性と関係性を追うことができ、将来はフィールドでの生物たちの生き方の変化(たとえば 共生化)の背景にどのようなDNAの変化があるかを追えるところまで行くだろうと思います。 》 87頁

 思いの外、私にとっては学習に苦労する本。簡単に読み進められると高を括っていた。時代に遅れをとっているわあ。いかん、いかん、いかんせん。

 明日、『版画芸術』の編集の方が小原古邨の木版画を撮影に来るので、その他の興味を惹きそうな資料を取り出す。木版画入雑誌『古今畫林』金港堂、明治二十四年〜 二十六年の四冊。絵師には小原古邨の師鈴木華邨の名も。この雑誌の特徴は英文併記。輸出用に作られている。摺師は吉田市松。彼は摺りの名人。

《 『文芸倶楽部』に移る前、彼は春陽堂の明治ニ三年刊の『美術世界』木版摺責任者として同誌がニ七年廃刊となるまで、その職にいたのである。『美術世界』は、 明治ニ二年刊の『国華』と並び、当時一流の超豪華美術雑誌として、その名が遺されている。 》 高橋克彦『浮世絵博覧会』角川文庫2001年初版

 吉田市松は『美術世界』と『古今畫林』を掛け持ちしていた。これが今回の発見。吉田市松が『美術世界』から『文芸倶楽部』に移るいきさつは『浮世絵博覧会』でも 明らかにされているが(喧嘩が原因)、山田奈々子『Woodblock Kuchi-e Prints』ハワイ・ホノルル大学出版局2000年刊(英文)でも詳述されている。 その本の主な部分を二十年ほど前に翻訳し、二十部ほどコピーして知人たちに配ったが、まだ二部あった。元はフロッピー・ディスク収録なので私は開けない。
 審美書院の田嶋志一に先立つこと十年前に輸出用の雑誌が刊行されていたという事実が、さらなる発見。『古今畫林』『美術世界』『文藝倶楽部』『國華』を前に、 しばし感慨に耽る。

 ネット、いろいろ。

《 ふだん国会で相手の話を聞かない、にやにやしてるだけで質問にまともに答えない、答えられない人が、外国に行っていきなり議論や交渉ができるようになるわけは ないよなあ。 》 藤原編集室
 https://twitter.com/fujiwara_ed/status/1040495986198495233

《  総裁選の討論会を見たが

  安倍は、根っからの嘘つき(もしくはブレインに都合よく洗脳されている。)1度失敗しているから、総理大臣というポストに物凄く執着している。

  石破は、弱者と公開制にスポットを当てて良い事を言っているが、お仲間からの信頼が薄く、票が集まるのか怪しい。 》 下流人生 、風俗日記
 https://twitter.com/karyujinsei/status/1040575707477245959

《 新型iPhoneまじでデカいな。8mくらいあるぞ 》 そーめい
 https://twitter.com/soo_mei/status/1039962391507681280

《 仕事への姿勢 》 ムラ係長
 https://twitter.com/muratagenzou/status/1039367424796057601