『千夜千冊エディション デザイン知』を少し

 松岡正剛『千夜千冊エディション デザイン知』角川文庫を少し読む。

《  プロダクトデザインというもの、その本質は「擬(もどき)」なのである。「擬」はたんなる「ものまね」や「シミュラークル」や「ギミック」のことではない。 (中略)だから、たんに真似するのが「擬」なのではなく、「奥をまねる」がモドキの本質である。もっと正確にいえば、擬くことによって、その器物の発生に 立ち会い、場合によっては新たな器物発生の生態系の端緒になっていくこと、その覚悟をすることが「擬」なのだ。
  デザインというものも、できればそうあってほしい。オリジナリティにばかりこだわるなどというのは愚の骨頂である。擬いていけば、そこには当然オリジンの 立ち上がりがおこっていく。 》 「山中俊治 デザインの思想」 363頁

 北一明の耀変茶碗を連想。

《 けれども、人間工学の追求や機能美がプロダクトデザインの王道であるかどうかは疑わしい。 》 「三原昌平 プロダクトデザインの思想」 366頁

 一昨日、昨日の引用参照。

《 デザインというもの、つねに high & low でできている。高すぎればお芸術、低すぎれば萌えである。しかし、この二つを捨ててはデザインはない。いまさら 言うまでもないが、藤原隆信の似絵(にせえ)こそが芸術で、鈴木春信の美人画こそ”萌え”だったのだ。デザインはとことん「擬き」を究めるべきである。 》  「三原昌平 プロダクトデザインの思想」 375-376頁

 朝6時4分気温8.5℃。蒲団を秋仕様にしておいて正解。寒さ知らずの起床。
 友だちと未知の蕎麦屋へ。古いアーケード街の外れにある、どう見ても喫茶店あるいはスナックをそのまま再利用したお店。蕎麦は安くて多くてうまい。 二人にはこれで十分。この近くにはハニーというジャズ喫茶がその昔あった。

 ネット、いろいろ。

《 久々にベーム盤で魔笛の夜の女王のアリア聴いた。モーツァルトのすごいのはこういう音楽の粋と大衆ウケを見事に両立できてるところだなあ。 黒鳥オディールの32回転にも同じことを感じる。 》 森岡正博
 https://twitter.com/Sukuitohananika/status/1053840063845416960

 上の引用の”芸術”と”萌え”の両立。

《 フェルメールが余計なものをそぎ落とす「引算の美学」を追求したのに対し、ルーベンスはどんどん盛りこんだ「足し算の美学」で 世界中に名を轟かせることに成功しました。 》 青い日記帳
 http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5267

 伊藤若冲と小原古邨。「引算の美学」が好みだけれど、この展示は気になる。

《 大学はもう死んでいる?- 東京大学吉見俊哉教授 》 academist Journal
 https://academist-cf.com/journal/?p=8751

《 「国の借金」で騒いでる人って、国(政府)が誰から金を借りているのか知ってるんだろうか? 》 津原泰水
 https://twitter.com/tsuharayasumi/status/1053657582265454593

《 ゴジラと共に上陸したアンギラスは、ゴジラと格闘しながら此花区から大阪の都心部に入り、かつてのルネサンス様式の大阪市役所のある淀屋橋界隈から 大阪城に移動し、そこでアンギラスは負け、大阪城の堀に沈められる。ということは、大阪城の外堀か内堀の何処かにアンギラスの骨があることになる。 》  千坂恭二
 https://twitter.com/Chisaka_Kyoji/status/1054126182818504704

《 皇后陛下にお薦めのミステリを選ぶ役職に就いてみたいなあ。肩書は侍講とか侍読あたりになるんだろうか。 》 千街晶之
 https://twitter.com/sengaiakiyuki/status/1053849235093778432

《 「煙草をワンカートン、いつでも気軽に買える金を稼げる大人になれ。人生なんてそれで充分だ」そう言って、この町を出ていっても頑張れよ、と 背中をポンと叩いてくれた。もう40年も前の、お世話になった夜の町で生きた人のことを、煙草をワンカートン買う度に思い出す。本当に人生なんてそれで充分だ。 》  小路幸也
 https://twitter.com/shojiyukiya/status/1054282636141580289