『批評空間』1995年臨時増刊号、「ミニマリズムとポップ以降の美術論」に収録された三篇、マイケル・フリード、ロザリンド・クラウスそしてベンジャミン・ブクロー を読んだ。ベンジャミン・ブクローの1987年の文が最も現在につながると感じた。
《 さて、歴史に関するテクストのなかで、省略されたり、抑制されたりした部分から、私たちはむしろ多くのことを学ぶことができる………それは今日では常識とも いえることです。 》 167頁下段
《 美術の評価基準は現在、批評とは無関係の場で、つまり批評の外側で成立しています。 》 169頁下段
《 (カロのようなアーティストが歴史的にも芸術的にも破綻していることが、今日、より一層明らかになったとしても……。そのことは、たとえば彼の新作、具象的な ブロンズのオダリスクや溶接したブロンズのコラージュ見れば、誰の目にも目障りなほど明らかなはずです)。 》 169頁下段〜170頁上段
《 フリードが「演劇的」であるとして論難したポスト・ミニマリズムのアーティストたちは、むしろ現在、保守的な政府機関や不動産関係の機関投資家から、公共の場に 記念碑的彫刻を設置するよう委嘱を受けて実際にそれを制作しています。 》 170頁上段
《 少なくとも今のところ、評論家の役割は完全に敗退しているように見えます。というのも、一方でそうしたアーティストたちは、彼らがかつて立脚していた過激な 前提を、ほとんど捨て去ってしまったからです。そしてもう一方で、美術家、市場、制度に次ぐ第四の声としての評論家がほとんど沈黙することになってしまったからです 。 》 170頁下段
《 ヘゲモニーをもった市場や制度の関心の枠外で、現在も抵抗や反抗を作品制作のなかで実践しつづけているアーティストたちがいるわけで、そうした実践をより深く 理解し、支援することが、現時点で批評に与えられたもうひとつの役割といえるんではないでしょうか。 》 171頁上段
ネット、いろいろ。
《 ピカソ、クレーの名画の「裏側」を見る展覧会でナチス略奪の軌跡を知る/河内秀子 》 Newsweek
https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2018/12/post-119.php
《 シャーロット・ジョーンズ『エアスイミング』訳者解題──女性の〈サバイバル〉を語り直す 》 小川公代
https://note.mu/genkishobou/n/n5d303e95af7e
《 自国の政府の目も当てられないような愚かさを見るのは非常に辛いことである。この政府に日本の未来は任せられない。
辺野古 埋め立て予定地に土砂投入はじまる | NHKニュース 》 布施祐仁
https://twitter.com/yujinfuse/status/1073406462775386117
《 Kindleの見本を眺めていたら面白いテキストがあった。自分がへまをした時に限って部下を怒鳴る上司のおはなし。何と。思い当たる事が…。
非常に不可解だった謎がさっと解けた気がした。思いも寄らなかった。まあ、今頃気づくとは。自分の中の大前提、性善説を、疑わないと…。 》 早坂類
https://twitter.com/Hayasakarui/status/1072922283549745152
《 民主主義は人間を信用しないシステムで、とにかく人間は信用できないので誰かに権力を与えても年期の制限があったり、投票でクビにしたり権力を制限する システムが必ず付いてくるのであって、絶対に信頼できる理想の独裁者みたいなの想定すると民主主義の方が非合理で負けるに決まってる 》 ドンガメ六号
https://twitter.com/dongame6/status/1073122504212762624