閑人亭日録

『意味がない無意味』五

 千葉雅也『意味がない無意味』河出書房新社2018年初版、「 III 他者」を読んだ。「美術史にブラックライトを当てること──クリスチャン・ラッセンのブルー」 「思弁的実在論と無解釈的なもの」「アンチ・エビデンス──九◯年代的ストリートの終焉と柑橘系の匂い」「動きすぎてはいけない──ジル・ドゥルースと節約」の 四篇からなる中で「思弁的実在論と無解釈的なもの」に深く惹かれた。

《 本稿では、思弁的実在論をSR、新しい唯物論をNMと略記することにしよう。そして、SRやNMを目立った傾向として含む大きな論況を、暫定的に 「非人間的転回 the Nohuman Turn 」と呼んで括ることにしたい。 》 138頁

《 ハーマンもまた「人間的アクセス」の哲学を広く批判する。メイヤスーは世界という単位で議論していたが、OOO(オブジェクト指向哲学)の特徴は、個別の物 それぞれに注目することである。ハーマンの存在論において根本的なのは、人間─事物の関係のみならず、事物一般のあらゆる関係を遮断することである。 》 142頁

《 そしてハーマンは、オブジェクトの側が力を一方向的に発揮しているという状況に私たちを(無関係で)向き合わせる。メイヤスーは、私たちが、私たちにとっての 思考なしで世界それ自体を思考する方法を探求していた。 》 144頁

 SRとOOOを対比させて論述は進んでゆく。じつに刺激的。だけれども、二人の著作を読んでいなければ、簡潔にまとめられた二人の論をその深度で受け止められる、 とはちょっと思えない。

 「アンチ・エビデンス──九◯年代的ストリートの終焉と柑橘系の匂い」の一節に時代の隔たりを実感。

《 僕の思考は、いまもなお、九◯年代に身体をどう生きたかによって規定されている。僕は、否応なく九◯年代の亡霊であり続けている。 》 176頁

 私は、昭和四◯年代の亡霊であるようだ。

 朝、自宅裏の蓮馨寺のお墓横の源兵衛川で茶碗のカケラやガラス片を拾う。子どもの頃よく遊んだ場所。夏場は深い急流でとても入れなかった。重くなったので帰宅。 一汗。コーヒーが美味い。
 昼前、ブックオフ長泉店で二冊。村田沙耶香コンビニ人間文藝春秋2016年6刷帯付、宮武外骨アメリカ様』ちくま学芸文庫2014年初版、計216円。
 午後、お散歩中に本屋へ寄り、松岡正剛『本から本へ』角川ソフィア文庫2019年3刷帯付。その足で喫茶店へ。女性から本を読める方法を聞かれるが、返答に窮する。 『本から本へ』巻末「追伸 本は交際である」から。

《 本とは、人類の歴史文化のなかで最高無二の知的情報体となってきた柔らかいパッケージである。この連中とはひたすら交際するのが一番だ。 》
 いまどきの現代音楽を三島市の人が聴きに行くのだろうかと訝しく思いながら帰宅。

 ネット、うろうろ。

《 「オッさん漫画家の萌え探索! 1~20」 渡辺潤  》 ILLUST DAYS
 https://illust.daysneo.com/works/455d4b38e75c144960e937c0c005a80f.html

《 真の歴史地図が出来上がった 》 宮中皿割り顧問官
 https://twitter.com/momintern/status/1098187648663867392

《 議員不祥事「自民は党名抜き、立憲民主なら党名あり」、Yahoo!ニュース見出しの怪 》 Buzzap!
 https://buzzap.jp/news/20190221-yahoo-news-topics-ldp-cdp/

《 <あのころ>成田で強制代執行開始  空港反対派農民が抵抗 》 KYODO
 https://this.kiji.is/471451807316018273

《 上田良一NHK会長への手紙 》 toriiyoshiki's Blog
 https://toriiyoshiki.blogspot.com/2019/02/blog-post_21.html?m=1

《 桜田大臣の答弁みてたら、質問してる野党議員より、あの答弁を聞いてる他の安倍内閣の閣僚がかわいそうって気がしてくるな。本当にかわいそうだ。 あんなんと一緒だと扱われるのが。 》 菅野完事務所
 https://twitter.com/officeSugano/status/1098482630587109376

《 また、国会で、「秘書官は私人でぇ」とか、意味不明の寝言垂れるのかねw 首相秘書官は私人だと閣議決定w 》 ネットゲリラ
 http://my.shadowcity.jp/2019/02/post-14805.html